レビュー著者: 漫画よしあし
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ふつうの軽音部 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- キラキラしたスター誕生の物語ではなく、「自分の才能の無さ」や「上手くいかないもどかしさ」をこれでもかとリアルに描いていて、読んでいて古傷を抉られるような激痛と、それ以上の共感を覚えました。
- 鳩野ちひろという主人公が、一見地味なのに「自分の好き」に対しては絶対に譲らない頑固さを持っていて、彼女の歌声(の描写)が周囲を動かしていく展開には、魂が震えるほどのカタルシスがありました!
- 出内先生の作画が本当に秀逸で、ライブシーンの演奏の振動や、キャラクターの「声」の質感が、漫画という静止画から確かに伝わってきました。表情一つで伝わる、言葉にならない感情の洪水に圧倒されます。
- 実在する邦ロックバンドの楽曲が物語の核心で使われる演出が最高です!あの曲の歌詞が、今の彼女たちの状況と重なった瞬間の爆発力。音楽好きなら絶対にニヤリとするし、聴いたことがなくても曲を調べたくなります。
- 軽音部内のドロドロした、でも切り捨てられない複雑な人間関係が、あまりに生々しくてページをめくる手が止まりません。単なる「部活モノ」を超えた、青春という季節の残酷さと美しさを凝縮した傑作です。
悪い所
- 物語の構成上、ライブシーンの最中に長い回想シーンが挟まるパターンが多く、演奏の勢いそのままに読み進めたい時には、少しテンポが削がれているように感じてしまう場面がありました。じっくり読む派向けです。
- キャラクターたちの自意識の強さや、斜に構えたような言動が鼻につく時期があり、そうした「若さゆえの痛さ」が苦手な人には、読んでいて少し胃が痛くなるような感覚があるかもしれません。刺さる人には刺さる。
- 「声の良さ」という設定による説得力に頼りすぎているように見える回があり、もっと具体的な演奏技術や練習の積み重ねの部分も見てみたかったな、と感じることも。あくまで「感性の物語」としての側面が強いです。
- 一部の脇役の性格付けがかなり極端で、見ていて本気でイライラさせられるようなキャラも登場します。リアリティがある証拠なのですが、ストレス耐性が低い時に読むと、不快感が勝ってしまう瞬間があるかも。
- ジャンプ+での連載が現在進行中なので、物語がどこに着地するのか全く予想がつかず、早く続きが読みたくて、更新日までの数日間が永遠に感じられてしまうのが最大の悩みです(笑)。一気読みしたい!



