レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
累 -かさね- の感想と評価(良いところ、悪いところ)
累 -かさね-
著者: 松浦だるま
連載: イブニング
評価: 8.8/10
あらすじ
生まれつき醜い顔のせいで、幼い頃から凄惨ないじめを受けて育った少女。だが彼女には、亡き大女優の母ゆずりの並外れた演技の才が眠っていた。母の形見である赤い口紅を使えば、くちづけをした相手と顔を入れ替えられる。その禁じられた力を知った少女は、美しくも演技のつたない女優の顔を借りて舞台に立ち、世間を魅了していく。だがその裏で、顔を貸した者たちの人生は次々と狂っていく。だまし、だまされ、嫉妬と復讐が幾重にも絡み合いながら、隠されていた過去と罪が次々に暴かれていく。美しさとは何か、自分とは誰なのか。積み重ねた偽りを捨て、少女は誰にも愛されなかった素顔のまま、命を懸けた最後の舞台に立つ。刃を浴びながらも己のすべてをさらけ出す、渾身の一世一代の大舞台!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 嫉妬や執着といった人間の暗い感情が、むき出しのままぶつかり合う物語を浴びるように読みたい人
- 美しさとは何か、自分とは誰なのか、そんな問いを抱えた重くダークな人間ドラマにのめり込みたい人
- 絵の美しさと物語の残酷さが同居する、ひりつくような読み心地をじっくり味わいたい人
向いていない人
- 気分が沈むような重い展開がとにかく苦手で、明るく前向きな読後感を何より求めている人
- 登場人物に素直な共感や好感を寄せながら読みたくて、感情移入しづらい主人公が苦手な人
- 独特で癖の強い絵柄がどうしても気になってしまい、万人受けするなじみやすい画風を好む人
良い感想・レビュー
- 絵柄は不気味で最初は好きになれなかった。でも読み進めるうち引き込まれて、最後は醜いはずの顔が言葉にできないほど美しく見えて涙が止まらなかった。美醜がひっくり返る瞬間に胸を打たれた。
- 綺麗な表紙に惹かれて一気に全巻読んだ。中身は嫉妬や執着でどろどろしているのに、世界観はどこまでも美しい。残酷さと美しさの同居にすっかり引きずり込まれた。
- 美醜で世界の見え方も優越感も劣等感も反転していく描き方に唸った。登場人物がみんなコンプレックスや使命感で動くから、突飛な行動にもちゃんと納得できて、誰の視点でも刺さるのがすごい。
- 人間の醜い部分をこれでもかと描きながら、ちゃんと読ませてしまう作者の力量に感心した。ルッキズムという扱いの難しい題材を、演劇の世界を借りてマンガとして成立させた手腕に舌を巻いた。
- 他人の顔ではなく自分の素顔で最後の舞台に立つ選択に胸が熱くなった。台詞は入っているのに自分がどう映るのか分からず苦しむ姿がリアルで、自分自身と向き合う痛みが生々しく迫ってきた。
悪い感想・レビュー
- ストーリーはよくできていて面白いのに、画力はあっても絵柄がどうしても好きになれなかった。この絵の癖の強さで損をしている気がして、そこだけが最後まで引っかかった。
- 読んでいて気分がしんどくなった。絵も内容も怖くて、テンションが下がっていく。こういう重く沈んでいく読み心地が苦手な自分には合わず、買ったことを後悔してしまった。
- 主人公二人のどちらにも共感も好感も持てなかった。いじめは壮絶だけれど、主人公の態度にも問題があるように見えて、誰にも寄り添えないまま話が進んでいくのがつらかった。
- いろんな人と顔を交換しているのに、主人公の顔だけずっと同じままなのが物足りなかった。設定の面白さを考えると、もっと見た目が変わる展開を期待していただけに惜しい。
- 本質を見てくれそうな相手との関係が途切れてしまったのが残念でならない。自己都合を押しつける演出家の言動も痛々しくて、救いの薄い結末にもやもやが残ってしまった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
絵柄は不気味で最初は好きになれなかった。でも読み進めるうち引き込まれて、最後は醜いはずの顔が言葉にできないほど美しく見えて涙が止まらなかった。美醜がひっくり返る瞬間に胸を打たれた。
ストーリーはよくできていて面白いのに、画力はあっても絵柄がどうしても好きになれなかった。この絵の癖の強さで損をしている気がして、そこだけが最後まで引っかかった。
綺麗な表紙に惹かれて一気に全巻読んだ。中身は嫉妬や執着でどろどろしているのに、世界観はどこまでも美しい。残酷さと美しさの同居にすっかり引きずり込まれた。
読んでいて気分がしんどくなった。絵も内容も怖くて、テンションが下がっていく。こういう重く沈んでいく読み心地が苦手な自分には合わず、買ったことを後悔してしまった。
美醜で世界の見え方も優越感も劣等感も反転していく描き方に唸った。登場人物がみんなコンプレックスや使命感で動くから、突飛な行動にもちゃんと納得できて、誰の視点でも刺さるのがすごい。
主人公二人のどちらにも共感も好感も持てなかった。いじめは壮絶だけれど、主人公の態度にも問題があるように見えて、誰にも寄り添えないまま話が進んでいくのがつらかった。
人間の醜い部分をこれでもかと描きながら、ちゃんと読ませてしまう作者の力量に感心した。ルッキズムという扱いの難しい題材を、演劇の世界を借りてマンガとして成立させた手腕に舌を巻いた。
いろんな人と顔を交換しているのに、主人公の顔だけずっと同じままなのが物足りなかった。設定の面白さを考えると、もっと見た目が変わる展開を期待していただけに惜しい。
他人の顔ではなく自分の素顔で最後の舞台に立つ選択に胸が熱くなった。台詞は入っているのに自分がどう映るのか分からず苦しむ姿がリアルで、自分自身と向き合う痛みが生々しく迫ってきた。
本質を見てくれそうな相手との関係が途切れてしまったのが残念でならない。自己都合を押しつける演出家の言動も痛々しくて、救いの薄い結末にもやもやが残ってしまった。
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