レビュー著者: 漫画よしあし
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おじさまと猫 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- ふくまるが初めて「誰かに選ばれた」と実感して涙を流すシーンに、自分も声を上げて泣いてしまいました。ペットショップでの孤独な日々と、おじさまの無償の愛の対比が、あまりに美しくて心が浄化されます。
- おじさまの気品溢れる振る舞いと、ふくまるを溺愛する際のメロメロな姿のギャップが本当に愛おしいです。彼もまた、亡き妻との思い出や孤独を抱えていて、猫を通じて救われていく過程には深い人間ドラマがあります。
- 猫を飼ったことがある人なら、「あるある」と頷いてしまう細かな仕草や表情の描写が絶妙です。ふくまるの愛くるしい(不細工な)顔を見ているだけで、日々のストレスが全て消えていくような最高の癒やしをもらえます。
- ただ可愛いだけでなく、「ペットを最期まで愛すること」の責任や重みについても、そっと語りかけてくれるような深みがあります。動物と暮らすことの本当の幸せを、教えてくれる教科書のような一冊です。
- 全編通して流れる静かで、でも確かな幸福感に包まれて、読み終えた後はいつも優しい気持ちになれました。世界はこんなに温かいんだと、再確認させてくれる。すべての猫好きと、すべての人に贈りたい宝物です。
悪い所
- 「お涙頂戴」な演出がかなり前面に出ているため、あざとさを感じてしまう人や、もっとフラットな日常系を求めている人には、物語のテンションが少し重すぎると感じられてしまう場面があるかもしれません。
- 物語の根底にある「孤独」や「喪失感」の描写がかなり切実なので、精神的にひどく落ち込んでいる時に読むと、癒やされるどころか一緒に沈み込んでしまう危険性があります。元気な時に読むのが一番です(笑)。
- ふくまるの「声(心の声)」のキャラ付けが、自分のイメージしていた猫のイメージと合わない時期があり、少し入り込むのに時間がかかった回がありました。キャラクター化された猫として楽しむ必要があります。
- 一部の人間関係のトラブルや過去の因縁が描かれる際、せっかくの癒やしムードが少し濁ってしまうように感じて、個人的にはもっとおじさまとふくまるの二人の時間だけをずっと見ていたかったな、と感じることも。
- 絵柄が非常に柔らかく綺麗なのですが、たまにコマ割りが淡白で、物語の進行が少し単調に感じられてしまうことがありました。劇的な変化を求める漫画ではないのですが、もう少し起伏があれば、という贅沢な不満。





