# ラストイニング

## 基本情報

- 著者: 中原裕、神尾龍
- 連載: ビッグコミックスピリッツ
- ジャンル: 青年漫画、スポーツ漫画、学園ドラマ、心理戦・頭脳戦、高校野球
- 評価: 8.9/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年08月25日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/22cc1ae6-a069-494c-bcd6-deccb38ad2ed

## あらすじ

怪しい健康食品を売りさばくトップセールスマンだった元高校球児が、会社の詐欺容疑をひとりで背負わされ、留置所に落ちる。保釈と引き換えに突きつけられた条件は、廃部寸前の母校野球部を翌年の夏までに甲子園へ連れていくこと。監督の椅子に座った鳩ヶ谷は「さわやか、ひたむき、正々堂々」をまとめて捨てた。相手の嫌がる手だけを選び、部員を犬と猫と猿に分けて動かし、配球の読み合いと確率で強豪を少しずつ削っていく。根性でも奇跡でもなく、先を読む力だけで番狂わせが起きる。やがて選手たちは、自分の頭で勝ち筋を探しはじめる。ベンチから試合をひっくり返す、監督席の高校野球！

## この漫画を読むのに向いている人

- 気合や根性ではなく、**読み合いと確率で勝ち筋を組み立てる試合運び**をじっくり味わいたい人
- グラウンドの選手ではなく、**ベンチから盤面を動かす側の視点**で勝負の裏側をのぞいてみたい人
- 性格を見て人の動かし方を変えていく**組織づくりの物語**として、スポーツものを楽しめる人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 汗と涙のまっすぐな青春を求めていて、**打算や駆け引きだらけの勝ち方**にはどうしても乗れない人
- 出場する選手それぞれに均等な見せ場がほしくて、**主力に寄った打線の描き方**がずっと気になる人
- 試合の外で起きるもめごとには関心がなく、**グラウンド上の勝負だけ**を最後まで追いかけたい人

## 良い所

- 一球ずつの配球に理屈が通っていて、ここまで細かく描いた野球漫画を他に知りません。試合の流れと駆け引きこそ野球の本質だと思っている身には、**配球の緻密さ**がまっすぐ刺さりました。
- 選手ではなく**監督の目で進んでいく試合運び**が面白い。しかも若くて口が達者でキレ者ときた。私にはまるで想像できない方向へ話が転がるので、次の一手が読めないまま最後まで走らされた。
- 野球のルールもろくに知らない私でも楽しめました。頭脳ゲームと呼ばれる意味がやっとわかったし、根性論や悲痛さから離れた**エンタメに振り切った作り**なので、気楽に読み進められます。
- 人の動かし方がとにかく上手い。性格を見てやる気の出し方を変え、短い時間で効果を出していく**人間掌握術**には、会社で人を預かる立場の身として学ぶところが多い。
- 青春・爽やか・正々堂々という大人の押しつけを、主人公が理屈だけで黙らせていく。この**幻想をはがす痛快さ**があるから、高校野球ってこう見ることもできるのかと考えさせられる。

## 悪い所

- 後半が要るのかどうか、読みながら何度も引っかかった。県予選までの**読み合いの密度**が高すぎて、そこから先はどうしても薄く感じる。締めどころを惜しむ気持ちが残る。
- 打線が一部の打者頼みのまま進む場面が多くて、そこは物足りない。**中軸以外の野手**にももう少し出番があれば、チーム全体で勝ったという手ざわりが強くなったはずだと思う。
- 一試合ごとの読み合いは面白いのに、チームが今どういう位置にいるのかが掴めないまま進む。**試合全体の見通し**が悪くて、何度も前に戻って確認するはめになりました。
- 試合の外で起きる騒動を扱う流れは盛り上がりに欠けました。**騒動を起こす側の人物**が弱いので、匿名の怖さをもっと押し出せたはずです。少し肩透かしを食らった気分になりました。
- まっすぐな青春を期待して読むと、たぶん裏切られる。**打算だらけの勝ち方**が最後まで続くので、球児のひたむきさを浴びたい日には、この本に手が伸びない。
