レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
江戸前の旬 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
江戸前の旬
完結連載: 週刊漫画ゴラク
評価: 7.8/10
あらすじ
銀座四丁目の老舗「柳寿司」。末っ子の柳葉旬は高校を出たばかりの春、名人と呼ばれた父が病に倒れたのをきっかけに、寿司職人になると腹を決める。シャリ炊きひとつ満足にできない日々、父の厳しい言葉に歯を食いしばりながら、築地の仲卸や店に通う客とのやりとりのなかで、旬は気づいていく。江戸前の仕事とは、魚を切って握るだけでなく、ひと手間かけて素材の旨さを引き出し、食べる人の心をほぐすことだと。天才職人・榊大吾との対決、仲卸の娘・藍子との出会い、そして看板の継承。弟子を育て、娘の成長を見守り、不漁や値上がりという時代の波に揉まれながらも守り抜く、下町の熱と江戸前の魂!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 素材にひと手間かけた仕事の意味を知りたくて、魚や寿司の知識ごと物語として味わいたい人
- 一話ごとにもめ事が寿司の一貫で丸くおさまる安心感を求めて、寝る前にゆっくり読み進めたい人
- 泥臭くて人情のこもった昔ながらの語り口が好きで、まっすぐな主人公の成長を見守りたい人
向いていない人
- 長い話を一気にまとめ読みしたいものの、説教くさい台詞や理不尽な展開が続くと疲れてしまう人
- いまの価値観に照らすと引っかかる言い回しが作中に出てくるたび、物語から気持ちが離れてしまう人
- 食事の場面での行儀の悪さや客への無遠慮なふるまいが苦手で、登場人物の品位を大事にしたい人
良い感想・レビュー
- 寿司漫画は数あれど、新鮮なネタなら産地で食べればいいという話ではない。銀座の気取らない店で築地の魚にひと手間かけるという舞台の作りに唸った。人情話も筋が追いやすく、するすると読める。
- 魚の旬や職人の手つきを覚えられるだけでも得した気分なのに、常連客や不器用な弟子、味覚の鋭い娘まで一人ひとり濃くて、周りの人間がそろって寿司に本気なのが楽しく、飽きる暇がありません。
- ものすごく浪花節で演歌な話だと思う。絵のタッチまで濃い。それなのにこのコテコテさが寿司の世界に妙にはまっているから不思議だ。本屋よりコンビニの棚で出会うたび、つい手が伸びてしまう。
- 登場人物はどんどん増えていくのに、結局は寿司の一貫で揉め事が丸くおさまる水戸黄門みたいな安定感があって、雑誌でいまも追い続けています。ライバルの夫婦にももっと出番をあげてほしいです。
- 腹が立つと自分は悪くないと思い込む性分だから、どんな理不尽も自分の伸びしろに変えてしまう主人公の姿がまぶしい。読むたびに背筋が伸びて、少し反省させられる。
悪い感想・レビュー
- 食べ物の漫画が好きでこつこつ読み進めていたのに、米アレルギーの子に親へ連絡もせず特別な一人前を出す回でつまずきました。命に関わる話を結果オーライで片づける軽さが、どうにも飲み込めません。
- 作中の寿司屋に一度は通ってみたいと思うほど気に入っていたのに、女将が常連に一口ねだったり客の荷物を勝手に開けたりする場面が続いて、気持ちが冷めました。接客業を舐めていると感じます。
- 雑誌で一話ずつ追うなら心地よいのに、単行本で続けて読むと説教と理不尽な展開の濃さに胃もたれしてくる。迷惑な常連が出てくる回は型まで同じで、途中で投げ出したくなった。
- いまの感覚で読むとつらい。人に言われて気づいたばかりの二代目が弟子を半人前呼ばわりし、主人公も後輩に上から物を言う。養殖は天然に劣るという決めつけも、作中で筋が通っていない。
- 絵も話も古いのは仕方ないとして、主人公が客の事情に考えなしで踏み込む回はさすがにいらっとした。安心して読める反面、毎回そんなに都合よく丸くおさまらないだろうと醒めてしまう。
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