# 獣の奏者

## 基本情報

- 著者: 上橋菜穂子、武本糸会
- 連載: 月刊少年シリウス
- ジャンル: ファンタジー、ハイファンタジー
- 評価: 8.8/10
- 最終更新日: 2026年07月24日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/24035880-a855-432c-97fc-483bbf40f1f6

## あらすじ

リョザ神王国の闘蛇村で、獣ノ医術師の母と暮らす少女エリン。ある日、軍事に使う巨大な怪獣・闘蛇が一度に何頭も死に、その責めを負わされた母は処刑されてしまう。死地に追い込まれたエリンは、母が吹いた指笛に逃がされ、蜂飼いの男に救われる。その男のもとで自然の理や学問を学んだ少女は、野生の王獣の姿に心を奪われ、その医術師を目指して保護場へ入る。人に懐かないはずの傷ついた幼い王獣と、竪琴や音無し笛で少しずつ心を通わせ、ついに空へ飛ばすことに成功する。だが人ならぬ獣を従える少女の力は、やがて真王家と大公家の争いに、兵器として利用されていく。獣の尊厳を守るため、禁忌を侵してでも信念を貫く少女の過酷な運命！

## この漫画を読むのに向いている人

- 作りこまれた**ハイファンタジーの世界観**にじっくり浸って、異国の文化や理を味わいたい人
- 文章だけで異世界を思い描くのが苦手で、**絵で情景を鮮明に**受け取りながら物語に浸りたい人
- 命の尊さや、人と生き物のあいだにある**埋めがたい隔たり**まで考えさせられる話を求める人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 恋愛の甘さや派手なアクションを前面に出した**わかりやすい娯楽作**をさらっと楽しみたい人
- 物語の終盤が駆け足で進む流れや、多くを語らない**余白の多い結び**にもやもやしやすい人
- 登場人物一人ひとりの背景まで、**丁寧に掘り下げた群像劇**としてたっぷり読み込みたい人

## 良い所

- 原作を読んだことのない私でも、この世界観にぐいぐい引き込まれた。コミカライズだと雰囲気が変わってしまう作品が多いのに、これは**原作に忠実な絵柄**で、最後まで安心して読み進められた。
- 漫画やアニメになるとイメージが壊れてしまう作品が多いのに、これは登場人物がどれも想像通りで嬉しくなった。**雰囲気がそのまま**再現されていて、絵も綺麗だから小説の情景がすっと頭に入る。
- 文章だけで異世界を思い描くのが苦手で、有名なシリーズも途中で投げてきた私。でもこれは**絵で情景が鮮明になる**から、この先どうなるのか気になって仕方ない。私にも向いてるかも。
- アニメで観たはずの物語なのに、絵で読み返すと感動があらためて押し寄せてきた。まっすぐに獣と向き合う少女と幼い王獣のあいだに芽生えた**温かな信頼**を思うと、もらい泣きしてしまう。
- 恋愛がほとんど絡まないのに、最後までぐいぐい引き込まれた。**人と獣のあいだにある隔たり**をきっちり描きながら、命の尊さや自然の摂理まで伝わってくる。子どもにも読ませたい一作だと思う。

## 悪い所

- 途中からあまりに展開が早くて、もう1冊分あってもいいから色々な人をじっくり掘り下げてほしかった。好きなキャラなのに出番のない人もいて、最後も**駆け足のたたみ方**にもやもやが残った。
- 綺麗な終わり方だとは思うけれど、あの国はその後どうなったのか気になってしまう。**結末の余白**が広すぎるせいか、私には少し中途半端に感じられて、読後にすっきりしない気分が抜けなかった。
- 最終巻まで読んでも、正直あまり感動が湧いてこなかった。一気読みならまた印象が違うのかもしれないけれど、ぶつ切りで追ったせいか**盛り上がりに乗り切れない**まま幕が下りた。
- 自分の命をかけて事を収めればいいという主人公の考えに、国まで巻き込まれて多くの人が死んでいく。悲壮な決意なのだろうけど、私にはどうにも**無責任な幕引き**に映った。
- 絵柄の好みもあるのだろうけど、私は作画にもう少し迫力がほしかった。巨大な獣が初めて姿を現す場面こそ一番の見せ場のはずなのに、**あっさりした画面**で拍子抜けしてしまった。
