レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
不能犯 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
不能犯
完結連載: グランドジャンプ
評価: 8/10
あらすじ
都会の電話ボックスに、消えてほしい相手の名前と理由を書いた紙を貼る。それだけで相手は死ぬ。ネットでささやかれる都市伝説の正体は、黒いスーツの男・宇相吹正だった。指一本、触れない。言葉と暗示で恐れや疑いをあおり、思い込みだけで相手を自滅へ導く。証拠は何ひとつ残らない。法では裁けない。だから警察は彼を「不能犯」と呼ぶしかなかった。上司を奪われた刑事・多田は逮捕を誓うが、なぜか自分にだけ暗示が通じないと知る。依頼した側もまた、己の欲に足をすくわれていく。人の弱さをここまで容赦なく暴き出し、重い後味を残すサイコサスペンス!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- 読後の爽やかさより、人の弱さや醜さを容赦なくえぐる筋書きそのものをじっくり味わいたい人
- 善悪では割り切れない主人公に惹かれ、底の読めない相手の正体を追いかける緊張を楽しめる人
- 一話ごとにきちんと決着がつく作りを好み、先が読めそうで裏切られる運びに何度でも付き合える人
向いていない人
- 筋の通った推理や謎解きを期待していて、理屈より思い込みで人が壊れていく展開が肌に合わない人
- 読み終えたあとに救いがほしく、報われない話ばかりが続く重い展開は苦手な人
- 同じ型の落ちが続くと飽きやすく、似た構図の繰り返しで驚きが薄れていくのが気になる人
良い感想・レビュー
- どんな依頼も鮮やかに片づけるのに、猫の前ではやけに顔が緩む。人を追い詰める男の底が最後まで読めないところが、ダークヒーローとして妙に好きになってしまった。むごい場面も、語り口は不思議と軽い。
- 謎解きの切れ味を期待して読み始めたら、違う話だった。仕掛けらしい仕掛けはなく、人の心の弱さや醜さをひたすら見せつけてくる。納得しきれない死に方もあるが、異色のサスペンスとしては、よくできている。
- 絵の綺麗さに惹かれて手に取りました。暗示がまったく通じない刑事だけが唯一男に対抗できるという構図が効いていて、関わった人間が次々と壊れていくなか、この刑事はどこまで自分を保てるのかと気になります。
- 一話ごとに話が完結しながらも、その裏で別の筋がじわじわ進んでいく構成が巧みです。自分も思い込みが強いほうなので、他人事に思えないところが妙に刺さりました。
- 無料分だけのつもりが、気づけば課金していた。思い込みひとつで見える世界がねじ曲がっていく描き方が怖い。現実にこんな相手がいたらとぞっとするのに、次は誰が崩れるのかを知りたくなる。
悪い感想・レビュー
- どんでん返しは二、三度までは楽しめたのに、四度目あたりで「はいはい」と冷めてしまった。後出しでいくらでも覆せる組み立てだと気づくと、驚きが作り物に見えてくる。面白い作品を見つけたと思っただけに残念だ。
- 男が一言告げただけで相手が壊れていく。手口の中身が描かれないまま結果だけが出るので、都合よく進んでいるとしか思えませんでした。人を呪わば穴二つで全員不幸、という締めも繰り返しで、途中から先が読めます。
- 数分話しただけで人の心がそこまで操れるのかと、どうにも腑に落ちない。幻覚の出方も大げさすぎる。依頼した側が実は狙われていたという落ちも重なるので、この調子が続くのかと思うと手が伸びなくなった。
- そこまでの罪とは思えない人まで、あっさり死んでいきます。悔いていた人物すら救われないので、罰の重さが釣り合わない気持ち悪さが残りました。全体に暗く、続けて読むともやもやが溜まります。
- お試し読みで思わず声が出るほど嫌な気持ちになりました。救いのなさを引きずる読み味で、メンタルが強くない人にはすすめにくいです。読まなければよかったとまで思いました。









