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最終更新日:

マネーの拳 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

マネーの拳

マネーの拳

完結
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著者: 三田紀房

連載: ビッグコミックスペリオール

ジャンル: ビジネス青年マンガ経済企業ドラマ

評価: 8.4/10

あらすじ

元ボクシング世界王者の花岡健は、引退後に始めた居酒屋が赤字続きで頭を抱えていた。そんな折、通信教育で財を成した実業家・塚原のテストに受かり、「ホームレスを十人雇うこと」を条件に一億円を託される。ケンが選んだのは、つぶれかけの縫製工場を借金ごと引き受け、Tシャツを自分たちの手で作って売る道。商売の究極は街のタバコ屋、その教えを胸に立ち上げた専門店チェーンは、数年で東証一部まで駆け上がる。だが上場した先で待っていたのは、外資による買収の脅威と、はじめから支えてくれた仲間との亀裂だった。リングを降りた男が拳ひとつで挑む、終わらない経営の殴り合い!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 起業や独立をいつか考えていて、会社が大きくなっていく道すじをまず物語として掴みたい人
  • 堅苦しいビジネス書は最後まで読み通せないけれど、商売の考え方だけは漫画でしっかり身につけたい人
  • 後がない状況からの逆転劇が好きで、手段を選ばず成り上がっていく勢いを一気に追いかけたい人

向いていない人

  • 登場人物に素直に肩入れしながら読みたくて、損得で動く冷たさが続くと気持ちが離れてしまう人
  • 絵のうまさをまず大事にしていて、線や人物の描き方の素朴さが気になると話に入り込めない人
  • 無一文から這い上がる物語を求めていて、元の知名度を足がかりに登る展開だと物足りなさが残る人

良い感想・レビュー

  • 私が二十歳のころに買って夢中になり、そのあと自分の会社を作ると決めてから読み返した。経営者という仕事の手触りが前より生々しく届いて、落ち込んだ日にはまたここへ戻ってくる。
  • 三田作品のなかでは地味な立ち位置らしいが、僕には一番刺さった。成り上がっていく爽快感と疾走感に押されるまま、最後まで退屈する場面がひとつもなかった。
  • 堅苦しい経営の本はどうも苦手なのだが、これは違った。店の場所選びから工場の買い取りまで、判断の道すじがそのまま追えるので、世の中のお金の流れまで頭に入ってくる。
  • 運転資金を盗まれて後がなくなった場面から、芸能人とマニアの力で首の皮一枚つながっていく流れがたまりません。好不調の激しい揺れこそ、この物語をおもしろくしている芯だと私は思う。
  • 起業から上場、跡を継がせるところまで、節目ごとにぶつかる壁が丁寧に並んでいる。僕がいちばん唸ったのは、立ち上げる力と回し続ける力は別ものだと言い切るところだ。

悪い感想・レビュー

  • 終盤で主人公が人を幸せにするためだと語る場面、私はどうにも白々しく感じた。口先で相手を丸め込む生き方をずっと見せられてきたぶん、きれいな言葉が後から乗っただけに思える。
  • 商売の極意として語られる中身は、聞こえのわりにかなりあくどい。勉強や努力を否定して楽に儲けろという理屈を、僕はまじめに働く側から取り分を吸い上げる話としか読めなかった。
  • 僕はどちらの肩を持てばいいのか最後まで決めきれなかった。上場のあとに造反する社員も社員なら社長も社長で、どちらの側にも心を寄せられないまま最後まで読み終えることになる。
  • 俺が期待していた手ごたえは、最後まで見えてこなかった。勝負がついたと思っても裏では出資者が描いた筋書きどおりに事は運び、すべてが後ろ盾の手のひらの上という構図が最後まで崩れない。
  • 絵はお世辞にもうまいとは言えないので、そこは読む前に覚悟がいります。ゼロからではなく元の知名度を足がかりに登っていく筋なので、僕のように無一文からの這い上がりを期待すると肩透かしを食らいます。

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