レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
JIN―仁― の感想と評価(良いところ、悪いところ)
JIN―仁―
完結著者: 村上もとか
連載: スーパージャンプ
評価: 4.5/10
あらすじ
現代の脳外科医・南方仁は、ある手術の直後に階段から落ち、文久二年の江戸に放り出される。電気も消毒薬も抗生物質もない町で、頼れるのはわずかな道具と自分の頭だけ。それでも目の前で倒れる人を見捨てられず、旗本の娘や町の職人の手を借りながら、ついにはペニシリンづくりにまで踏み込んでいく。やがて志を同じくする仲間と小さな診療所を立ち上げ、救える命は少しずつ増えていく。コレラが江戸を襲い、志士たちが命を削り合う時代のただ中で、仁は問い続ける。自分が救った命が、この国の行く末を変えてしまうのではないか。医術と人の縁が時代を越えてつながる、幕末タイムスリップ医療劇!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- 時代物と医療とSFが混ざり合い、どれか一つだけでは出せない熱が生まれる物語を読みたい人
- 設備も薬もほとんどない場所で、あるものだけで人を助けようとする踏ん張りに胸が熱くなる人
- 一人の知識だけでなく、材料を集める人や道具を作る職人まで巻き込んだ総がかりの挑戦に唸れる人
向いていない人
- 読み終えたときに、時をさかのぼる仕掛けの理屈がすっきり片づいている決着を求めたい人
- 窮地のたびに間一髪で切り抜ける流れが重なると、話の運びが都合よすぎると感じてしまう人
- 本筋から離れた色っぽい場面が挟まれると、物語の流れそのものが途切れたように感じてしまう人
良い感想・レビュー
- 少女漫画ばかり読んできた私は、男性向けの絵柄やコマ割りが苦手で正直身構えていました。それが読み進めるほど興味が途切れず、まだ半分も読まないうちに人へ薦めたくなるとは思いませんでした。
- タイムスリップと幕末と医学、どれか一つでも重たくなりそうな題材なのに、三つが混ざり合って別の熱を生んでいるのが読んでいて気持ちいい。よくこの三つを一つの話に収めたと唸る。
- お札で病が治ると信じられていた時代に、あるものだけで治療していく場面がとにかく生々しい。漫画の外から声援を送りたくなるくらい、主人公の迷いや踏ん張りに入り込んでしまった。
- 今なら当たり前に受けられる治療が、設備の何もない時代ではこれほど大変だったのかと考え込みました。名前だけは知っている歴史上の人物との関わり方が一人ずつ違うのも読みごたえがあります。
- 未来の知識で無双する話かと思って読み始めたら、まるで違いました。薬の材料を集める人、器具を作る職人、支える人がいて初めて一つの医術が形になるのだと気づかされます。
悪い感想・レビュー
- 危機に陥っては誰かの命を救い、自分も窮地を脱する。この流れが繰り返されるうちに、都合よく物事が運びすぎる感じが鼻についてきました。途中から先が読めてしまったのは残念でした。
- 終盤の時間の辻褄合わせが、解決というより別の世界の人物と入れ替わったような理屈に見えました。読み終えても腑に落ちない部分が残ったまま最後のページをめくり終えてしまいました。
- 遊郭を扱うあたりでそれらしい色っぽい場面が挟まるので、話が横道に逸れた気がしました。線やコマ割りも男性向けで、少女漫画に慣れた私には最初とっつきにくかったです。
- 主人公と彼を支え続けた女性の関係が、どこに落ち着いたのか読み終えてもはっきりしません。二人の行き先をもう少し言葉にしてほしかったと今も思っています。
- 一度は治ったはずの病がまた顔を出す展開があり、読んでいて気持ちが沈みました。助かってほしい人ほど救われない流れが続くのは、私にはなかなかこたえます。










