レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ギャラリーフェイク の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ギャラリーフェイク
マークダウンで表示著者: 細野不二彦
連載: ビッグコミックスピリッツ
評価: 8.3/10
あらすじ
元メトロポリタン美術館の学芸員という輝かしいキャリアを棄て、贋作を扱う画廊「ギャラリーフェイク」を開いた藤田三郎。天才的な鑑定眼と修復技術を持ちながら、芸術のなんたるかも知らない俗物たちの中で飄々と泳ぐ、類まれなるダークヒーローだ。大富豪の娘サラを助手に迎え、古今東西の美術品をめぐる事件に巻き込まれていく。真偽のわからない絵画、失われた傑作、贋作師の矜持──美術市場の表と裏をリアルに描きながら、芸術を心から愛する者にしか分からない価値を鮮やかに教えてくれる。読むたびに美術の奥深さに引き込まれる、ビッグコミックスピリッツの名作!
良い所
- 贋作をモチーフにした心踊るミステリで、一話が短いのにリサーチが丁寧で唸らされる内容がぎっしり。マニアックになりすぎず一般読者でもついていけるバランスが絶妙で、隠れた名作と呼ぶにふさわしいです。
- フジタが啖呵を切って制裁を下す場面がとにかくスカッとして、「美術版ブラック・ジャックだ!」と思いました。世相を反映したシビアな話でも温かいまなざしがあって、読み終わるたびに心に残ります。
- 読み終わるたびに美術館へ行きたくなるほど、作品への愛と知識が伝わってきます。難しい美術話も謎解きとして楽しめる大人向けの面白さがあって、読むとちょっと賢くなった気がします。
- 芸術をないがしろにする者に制裁を加える飄々としたダークヒーロー・フジタに初めて出会った時はシビれました。悪いことをしているのに格好良くて、こんなキャラクターを描ける作者の才能に感服しています。
- フジタに魅せられて「将来フジタになる!」と美術の世界に憧れ続けたほど、この作品は自分の人生に影響を与えました。スマートでかっこいい中にも見せるギャップがたまらなくて、今でも大好きなキャラクターです。
悪い所
- お話の面白さも登場人物の魅力も本当に大好きで全巻揃えていたのですが、一話一話のエンディングがよくあるパターンになりがちで予定調和な印象でした。結末が読めてしまうと少しがっかりする気持ちがあります。
- 名作なのは分かるのですが、昭和の男性向け漫画風の絵柄に最初はなかなか入り込めませんでした。20年以上前の作品なので絵柄の古さは仕方ないのでしょうが、読み始めのハードルになっていると感じます。
- 贋作の世界やフジタの魅力は好きなのですが、ヒロインのサラが「主人公に惚れる外国人美女」という90年代的なテンプレ設定が少し気になります。ヒロインの描き方がもう少し現代的だったら良かったです。
- 「美術版ブラックジャック」と呼ぶにふさわしい痛快さがあるのですが、フジタが活躍する展開が毎回ご都合主義気味で、都合よく解決しすぎる印象があります。都度「そんなにうまくいくかな?」と思ってしまいました。
- 美術や骨董に興味がある人向けの作品で、馴染みのない自分には最初の数話で知らない美術品や専門用語が続いて取っつきにくかったです。ハードルが少し高めで、楽しめるようになるまで時間がかかりました。





