レビュー著者: 漫画よしあし
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忘却バッテリー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 野球漫画史上、これほどまでに「笑い」と「シリアス」の温度差が激しく、かつ成立している作品は他にありません!要圭の「パイ毛」ネタに爆笑した次の瞬間、彼の抱える孤独に泣かされる展開に脱帽です。
- 清峰葉流火の「圭がいなければ野球をする意味がない」という狂気的なまでの執着が、美しくも切なくて胸を打たれます。言葉足らずな二人の不器用な絆の描写には、言葉にならない凄みを感じました。
- 「野球を辞めた天才たち」が再び集い、挫折を乗り越えていく過程が非常に丁寧に描かれています。単なるスポ根ではなく、才能という呪いとどう向き合うか、というテーマが深く刺さります。
- みかわ先生の画力が素晴らしく、試合シーンの静寂と躍動感の使い分けが見事です。キャラクターの表情一つで、その場の緊張感や絶望感がダイレクトに伝わってきて、ページを捲る手が震えました。
- 脇を固める藤堂や千早といった仲間たちのバックボーンも非常に濃密で、全員が主人公になれるほどの魅力を持っています。彼らが一つの「チーム」になっていく姿には、青春の輝きが凝縮されています。
悪い所
- 要圭の「アホモード(忘却後)」のギャグのノリが、かなり独特で下ネタも含まれるため、正統派で真面目なスポーツ漫画を期待している読者には、少しふざけすぎているように映る可能性があります。
- 物語の構成上、試合以外の心理描写や回想シーンの比重が非常に高いため、テンポよくガンガン試合が見たい!という人には、話の進みが遅く感じられてじれったい思いをさせるかもしれません。
- 「才能の格差」というテーマが非常にシビアに描かれるため、努力が報われないキャラクターたちの悲哀が強く、読んでいて精神的にかなり削られるような「重さ」を感じる場面が多々あります。
- 一部のキャラクターの過去のトラウマ描写が、物語を動かすためとはいえ、かなり陰惨で痛々しいものも含まれており、明るい部活モノだと思って読み始めると、そのダークさに驚くかもしれません。
- ジャンプ+での連載が現在進行中であり、あまりの物語の面白さに「続きが気になりすぎて仕事が手につかない」という中毒症状に陥るリスクがあるのが、読者にとって最大の問題点です(笑)。





