レビュー著者: 漫画よしあし
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ガス灯野良犬探偵団 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 本格ミステリ作家・青崎有吾先生の脚本による、「ホームズの助手としての浮浪児たち(イレギュラーズ)」に焦点を当てた視点が非常に新鮮で、シャーロキアンも唸る巧みな構成に痺れました!
- 若くて少し性格に難のある、「まだ何者でもない時期のホームズ」の造形が最高に格好良い。彼がリューイを導き、またリューイの野性味あふれる行動にホームズが刺激を受ける関係性に、新しいバディの形を見ました。
- 松原先生の描く19世紀ロンドンの退廃的で美しい街並みと、躍動感あふれるアクションの融合。一コマ一コマが映画のシーンのような迫力があり、画面の密度に圧倒されっぱなしでした。
- ミステリーとしての謎解きの面白さはもちろん、底辺で生きる子供たちが「知恵と団結」で強者に立ち向かうという少年漫画的な熱さが両立していて、読んでいて本気で応援したくなる魅力があります。
- 「ベイカーストリートの闇」を浮き彫りにするダークな演出。華やかな大通りの裏側に潜む残酷な真実を暴く際の、ホームズの冷徹な眼差しとリューイの純粋な怒りのコントラストが、物語に深い情緒を与えています。
悪い所
- 従来の「紳士的なホームズ像」を強く愛しているファンにとっては、本作の傲慢で冷淡、かつ未熟なホームズのキャラクター付けがイメージと異なりすぎて、受け入れがたい「別物」に映る可能性があります。
- 物語の構成上、ミステリーとしてのロジックよりも、浮浪児たちのアクションや勢いで解決してしまう場面が一部にあり、本格的な推理パートの重厚さを求めている人には、少し物足りなさを感じさせるかも。
- ロンドンの社会問題(格差、人種、貧困)がかなりシビアに扱われているため、エンタメとして軽く楽しみたい時には、内容の「重さ」に少し気分が沈んでしまう回があるかもしれません。
- 登場キャラクターが非常に多く、それぞれの勢力関係が少し複雑に感じられる時期があり、一気に読み進めないと「このキャラはどこの所属だったか」と一瞬混乱してしまう場面が稀にありました。
- 現在は連載が始まったばかりで既刊も少ないため、「とにかく早く続きを読ませてくれ!」という欲求が抑えられず、新刊が出るまでの待ち時間が苦痛で仕方ないのが最大の不満です(笑)。



