レビュー著者: 漫画よしあし
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少年のアビス の感想と評価(良いところ、悪いところ)
少年のアビス
著者: 峰浪りょう
連載: 週刊ヤングジャンプ
評価: 8.5/10
あらすじ
何もない町で暮らす高校生の黒瀬令児は、認知症の祖母と引きこもりの兄、働きづめの母を抱え、卒業したら地元で働くしかないと将来を諦めていた。そこへ、活動を休んだアイドル・青江ナギが地元のコンビニに現れる。親しくなった彼女から告げられたのは「心中しよう」という誘い。二人は身を投げようとするが担任教師に止められ、その日を境に町の取り繕った顔が崩れていく。狂った母性を燃やす教師、東京へ逃げたい幼馴染、暴力で縛りつける同級生。誰もが令児を欲しがるのに、誰ひとり彼を救わない。親世代の因縁まで絡みつき、少年少女は底の見えない深みへ沈んでいく。息が詰まるのに目を離せない、灰色の泥沼!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 閉じた町の息苦しさを真正面から描いた物語に惹かれ、読み終えたあとの重い余韻ごと味わいたい人
- 綺麗な絵とどろどろした感情の落差にゾクッとして、人の醜さが美しく見える瞬間を味わいたい人
- 先の読めない心理サスペンスが好きで、伏線の答え合わせのために読み返す時間も楽しめる人
向いていない人
- 登場人物が救いのないまま堕ちていく話が続くと気持ちが持たず、明るい読後感を求めたい人
- 主人公が迷い続ける展開にもどかしさを感じやすく、話がすっきり前に進む物語を読みたい人
- すべての謎に答えが出る幕引きを求めていて、余白を残したまま終わる結末には物足りなさが残る人
良い感想・レビュー
- 表紙の絵につられて手に取ったら、中身は控えめに言っても地獄だった。綺麗な線でドロドロを淡々と描く絵と中身の落差が効いていて、苦しいのに最後まで引きずり込まれた。
- 登場人物が揃いも揃って闇が深い。なのに、閉じた日常を取り繕っていた人たちがドロドロした感情を解放していくのはある意味痛快で、どこまで堕ちるのか期待している自分がいる。
- 受け継がれる絶望に縋るしかなくなって心が壊れていく感じが辛いのに、そんな境遇の違う二人が、それでも少しずつ惹かれ合っていく過程に胸を締め付けられる。
- 登場人物みんなに悪いところも優しいところもあって、単純に割り切れない。誰よりも繊細で優しいだけなのに、こんなに辛くて切ないなんてと胸の奥が痛む。
- 読み始めた頃は軽い気持ちだったのに、気づけば灰色によどんだ沼に引き寄せられていた。沈む、という言葉がぴったりなくらい、深みから抜け出せなくなる。
悪い感想・レビュー
- 重くて鬱な展開が続くのは覚悟していたが、主人公の優柔不断さがきつい。同じ場所を堂々巡りするまま話が進まず、気を持たせる発言ばかりでだんだんイラッとしてきた。
- 物語そのものの締めくくり方は、正直やや控えめに感じてしまった。その後の二人がどうなったのか、もう少しはっきり顔を見せてほしかったというのが本音だ。
- 重くて暗い展開が延々と続く中で、何をみさせられてるんだろうとふと我に返る瞬間が何度もあった。続きは気になるものの、読んでいて疲れるのは事実だ。
- 序盤からずっとどんよりした空気が続くので、正直しんどい場面が多い。読み進めるうちに主人公の顔立ちが変わっていく様子だけが、唯一の救いに感じられた。
- 決して万人受けする話ではないと、自分でも思う。どろどろした人間ドラマが好きな人向けの作品で、明るい話を期待して読むと肩透かしを食らうかもしれない。










