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少年のアビス の感想と評価(良いところ、悪いところ)

少年のアビス

少年のアビス

著者: 峰浪りょう

連載: 週刊ヤングジャンプ

ジャンル: 青年漫画恋愛人間ドラマダーク

評価: 8.3/10

あらすじ

『少年のアビス』は、何もない地方都市で生きる高校生・黒瀬令児が、家族や人間関係に縛られた閉塞的な日常の中で、アイドル・青江ナギとの出会いをきっかけに深い闇へと引き込まれていく過程を描くダーク青春漫画。心中未遂、依存、共犯関係などの重いテーマを中心に、登場人物それぞれの抱える傷や欲望が交錯し、閉ざされた町での人間関係が連鎖的に崩壊していく構造を持つ。地方の停滞感と心理的圧迫を背景に、少年が“出口のない現実”と向き合う姿を描く作品。

良い所

  • 地方の閉塞感が丁寧に描かれていて、令児が逃げ場を失っていく過程が非常にリアルだった。環境が人を追い詰める描写が強く印象に残った。
  • キャラクターの心理描写が細かく、特にナギや柴沢の不安定さが物語に緊張感を与えていた。感情の揺れがページごとに伝わってくる。
  • 日常の静けさと突発的な狂気の落差が大きく、読み進めるほど不穏さが増していく構成が巧みだった。先が読めない展開に引き込まれた。
  • モノローグの使い方が上手く、令児の内面が視覚的にも言語的にも整理されていて理解しやすかった。心理的な深掘りがしっかりしている。
  • 人間関係が複雑に絡み合い、誰もが“正しくない選択”をしてしまう理由が丁寧に描かれていた。キャラクターの弱さが物語の推進力になっている。

悪い所

  • 重い展開が続くため、読んでいて精神的に疲れる場面が多かった。救いの少なさが読者を選ぶ作品だと感じた。
  • キャラクターの行動が極端に感じる回があり、物語のリアリティよりも衝撃性が優先されているように見える部分があった。
  • 暗い展開が繰り返されるため、物語のテンポが単調に感じる箇所があった。緩急のバランスがもう少し欲しかった。
  • 令児の家族問題が複雑な割に説明が断片的で、背景の理解に時間がかかった。情報の提示がやや不均一に感じた。
  • 心理描写が濃密な一方で、物語の進行が遅く感じる巻もあり、長期的な展開のメリハリが弱いと感じた。

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