レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
テレプシコーラ/舞姫 第1部 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
テレプシコーラ/舞姫 第1部
マークダウンで表示著者: 山岸凉子
連載: ダ・ヴィンチ
評価: 9.2/10
あらすじ
埼玉に暮らす小学5年生、篠原六花。自宅でバレエ教室を開く母のもと、一歳上の姉・千花と一緒に踊る毎日。おっとりした六花は、プロを目指す優秀な姉と比べられながらも、ただ踊るのが好きで続けてきた。新学期、奇妙な転校生・須藤空美が現れる。空美はずば抜けた素質を見せるが、虐待と児童ポルノ被害の果てに姿を消す。一方の六花は、ダンサーとして致命的な身体の欠陥を告げられる。名門公演でクララ役に抜擢された千花は、本番で膝の靭帯を断裂。繰り返す手術、いじめ、母の無言の重圧が彼女を追い詰めていく。最愛の姉を失った六花が、自分だけの振り付けの才能を開花させ、姉の遺志を継ぐ覚悟でバレエへ歩み出す山岸凉子の問題作!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 努力や才能があっても、運と環境に蹴落とされるバレエ界の現実を直視した物語に惹かれる人
- 山岸凉子の人物の心理を丁寧に掘り下げる作風が好きな人
- バレエコンクールやプロを目指す現場のリアルな空気を知りたい人
向いていない人
- 虐待・自殺・いじめが連続する重い展開を受け止めるのがしんどい人
- 救いのある明るい結末を期待して読み始めてしまいそうな人
- 華やかで美しいバレエの世界を楽しく描いた物語を期待している人
良い感想・レビュー
- バレエを全然知らない私でも、物語の最初から最後まで引き込まれっぱなしだった。母の期待を一身に背負った千花と、才能の片鱗を持つ六花という正反対の姉妹から目が離せなくて、最後まで本当に夢中で読んだ。
- 才能があっても努力しても、それだけでは届かない世界のことを私は初めて想像した。実在のバレエコンクールの現場の生々しさが伝わってきて、踊ることの過酷さをここまで突きつけられるとは思わなかった。
- 山岸凉子さんの内面描写はとにかく丁寧で、私はどの展開にも無理なく納得できた。誰が何をどう考え、その結果どう動くかが細かく積み上げられているから、気づいたら登場人物の中に深く入り込んでいた。
- 知らないうちに物語へ巻き込まれて、気づけば冷静に眺める余裕などなくなっていた。どこにも逃げ場のない千花の苦境が最後にたどり着く結末を、私はただ呆然と受け止めた。あの衝撃は今でも忘れられない。
- 重苦しい物語を最後まで読み切って、気持ちがぐったりしてしまった。それでも六花が振付家としての将来をのぞかせた最後の場面が救いで、あの場面がなければどうにも気持ちの置き所がなかったと思う。
悪い感想・レビュー
- バレエという世界を描いているはずなのに、辛い描写があまりにも多かった。バレエを習っている小学生がうっかり目にしたらショックを受けないか心配になるほどで、私も何度も胸が締めつけられた。
- 千花ちゃんへのいじめがどんどんエスカレートしていくのを見ているのが本当にしんどかった。膝の怪我にヤブ医者と、彼女を取り巻くことが全部悪い方向へ向いていて、私の気持ちまでどこまでも沈んでいった。
- 身体や感性が合っていても、どれほど献身しても本物にはなれない世界がある。夢に向かって真剣であるほど追い詰められていく千花の描写が痛々しくて、私は途中から読むのがしんどくなってしまった。
- 絵が私にはどうも合わなかった。バレエを美しく描いてほしいのに、西洋的な身体の美が伝わらない貧相な絵柄のせいで気持ちが乗れないまま、最後まで読んだ後もすっきりしない後味だった。
- もう少し、せめてどこかに救いのある形にしてほしかったと、今でも思っている。現実にプロを目指す若い子が拒食や過食に追い込まれるという話まで出てきて、私には絶望が深すぎて最後まで受け止めきれなかった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
バレエを全然知らない私でも、物語の最初から最後まで引き込まれっぱなしだった。母の期待を一身に背負った千花と、才能の片鱗を持つ六花という正反対の姉妹から目が離せなくて、最後まで本当に夢中で読んだ。
バレエという世界を描いているはずなのに、辛い描写があまりにも多かった。バレエを習っている小学生がうっかり目にしたらショックを受けないか心配になるほどで、私も何度も胸が締めつけられた。
才能があっても努力しても、それだけでは届かない世界のことを私は初めて想像した。実在のバレエコンクールの現場の生々しさが伝わってきて、踊ることの過酷さをここまで突きつけられるとは思わなかった。
千花ちゃんへのいじめがどんどんエスカレートしていくのを見ているのが本当にしんどかった。膝の怪我にヤブ医者と、彼女を取り巻くことが全部悪い方向へ向いていて、私の気持ちまでどこまでも沈んでいった。
山岸凉子さんの内面描写はとにかく丁寧で、私はどの展開にも無理なく納得できた。誰が何をどう考え、その結果どう動くかが細かく積み上げられているから、気づいたら登場人物の中に深く入り込んでいた。
身体や感性が合っていても、どれほど献身しても本物にはなれない世界がある。夢に向かって真剣であるほど追い詰められていく千花の描写が痛々しくて、私は途中から読むのがしんどくなってしまった。
知らないうちに物語へ巻き込まれて、気づけば冷静に眺める余裕などなくなっていた。どこにも逃げ場のない千花の苦境が最後にたどり着く結末を、私はただ呆然と受け止めた。あの衝撃は今でも忘れられない。
絵が私にはどうも合わなかった。バレエを美しく描いてほしいのに、西洋的な身体の美が伝わらない貧相な絵柄のせいで気持ちが乗れないまま、最後まで読んだ後もすっきりしない後味だった。
重苦しい物語を最後まで読み切って、気持ちがぐったりしてしまった。それでも六花が振付家としての将来をのぞかせた最後の場面が救いで、あの場面がなければどうにも気持ちの置き所がなかったと思う。
もう少し、せめてどこかに救いのある形にしてほしかったと、今でも思っている。現実にプロを目指す若い子が拒食や過食に追い込まれるという話まで出てきて、私には絶望が深すぎて最後まで受け止めきれなかった。





