# 墨攻

## 基本情報

- 著者: 久保田千太郎、森秀樹、酒見賢一
- 連載: ビッグコミック
- ジャンル: 戦争・軍事、歴史・時代劇
- 評価: 8.3/10
- 最終更新日: 2026年07月28日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/7057fbf4-4053-4d57-84a8-049ffd25c90a

## あらすじ

約2300年前の中国。趙の一万五千の大軍が、燕の小さな城に押し寄せる。追い詰められた城が助けを求めたのは、守りの戦だけを引き受ける集団だった。だが送られてきたのは、たった一人の男。武器も兵もない素人の民を鍛え、土を掘り、仕掛けを組み、途方もない差をひっくり返していく。息の詰まる守城戦の先に待っていたのは、城主の裏切りと、味方だったはずの教団から向けられた刃。信じたものを曲げない男は、どこまで行っても休ませてもらえない。泥と血のにおいまで運んでくる絵で、戦乱の中国が目の前に立ち上がる。読み終えたあとも消えない、たった一人で戦い抜いた男の背中！

## この漫画を読むのに向いている人

- 古代中国の攻城戦を舞台に、**知恵と土木仕事で大軍を食い止める戦い方**を細部まで味わいたい人
- 読んでいて胃が重くなるほどの**戦争の泥くささ**まで含めて、絵の力ごと正面から受け止めたい人
- 英雄らしくない**へんくつな主人公**が、信じたものだけを頼りに動いていく姿に惚れ込みたい人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 最後まで**守りの戦一本**で押し切る話を期待していて、途中で舞台が変わるのは避けたい人
- 物語の結末に納得感を何より求めていて、**駆け足な畳み方**が引っかかってしまいそうな人
- 前半と後半で**物語の色ががらりと変わる**構成が苦手で、一本の筋で最後まで通してほしい人

## 良い所

- 聞き慣れない思想を背負った男が、兵ももらえず一人で小城へ向かう。土を掘り、武器を作り、素人の村人を鍛え上げる。**守りの支度をひとつずつ積み上げていくところ**に、すっかり引き込まれた。
- 数万の敵に、数千の民間人で立ち向かう。地下に穴を掘る攻防、火を使った攻め。**知恵と技術のぶつかり合い**がこと細かく描かれていて、こんな戦い方があるのかと読みながら唸ってしまう。
- 淡々とした原作とはまるで別物でした。貴公子が汚物まみれになる場面など、**戦争の泥くささ**を容赦なく絵にしていて、読んでいるだけで胃が重くなりました。
- 主人公は英雄というより、へんくつで無愛想なおっさん。それなのに人間離れした働きぶりで人を動かす。**この掴みどころのなさ**にやられて、俺はこの男から目が離せない。
- 乗り越えるべき壁が、越えるたびにさらに高くなる。次はどうする、と前のめりで読んだ。**理想と現実がずれていくやるせなさ**も、後になってじわじわ効いてくる。

## 悪い所

- 原作のある序盤は夢中で読めたけれど、そこから先は盛り上がりに欠ける気がした。黒幕の最期もあっけなく、**話が伸びた分の失速**が正直きつくて、同じ熱のまま最後までは読めなかった。
- 人気が出て連載が伸びた事情は分かる。ただ決着のつけ方は娯楽映画のようで、**教団との因縁**をもっと掘り下げてほしかった。終わらせ方に苦労した跡が透けて見えるのも惜しい。
- 戦えない人まで動かして知恵を絞る、準備を整えていくくだりが好きだった自分には、**斬り合いの場面ばかり増える後半**がどうにも肩透かしだった。守りの工夫をもっと見たかった。
- 城を守る話のはずなのに、終盤はよく分からないうちに落城します。海の向こうへ渡る締めも矢印一本で片づけられ、**急いで畳んだような後味**だけが残りました。
- 前半と後半でまるで別の漫画になる。原作の乾いた空気が好きだった人ほど、**人間離れした戦いに寄る後半**には戸惑うと思う。間延びして感じる場面も少なくない。
