レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
三億円事件奇譚 モンタージュ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
三億円事件奇譚 モンタージュ
完結著者: 渡辺潤
連載: 週刊ヤングマガジン
評価: 8.3/10
あらすじ
1968年12月10日、白バイ警官を装った男が現金輸送車から三億円を奪い、犯人は捕まらないまま時効を迎えた。それから四十数年、高校生の鳴海大和は亡き父の形見から、奪われた札と同じ番号の血染めの五百円札を見つけてしまう。直後に育ての親が姿を消し、手がかりを追った先の無人島で大量の旧紙幣を目の当たりにする。さらに殺人の濡れ衣を着せられ、幼馴染とふたり全国を逃げ回る身となる。追う警官も助けてくれる大人も、どこまで信じていいのかわからない。昭和最大の未解決事件の裏に隠されていたのは、国家ぐるみの企み。三代にまたがる因縁を断ち切るために走り続ける、逃亡サスペンス!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 実際に起きた未解決事件を独自の解釈で組み直した物語に、わくわくしながら向き合いたい人
- 追う側も助けてくれる側も信用できない緊張感の中を逃げる若い二人を、最後まで見届けたい人
- 悪役にもそうなるしかなかった事情があると描く物語で、憎しみと同情の間を揺さぶられたい人
向いていない人
- 現在と過去を行き来する構成に大勢の人物が絡む話を、腰を据えて追いかけるのが苦手な人
- 謎解きが理詰めできれいに着地する推理ものを求めていて、勢いで進む展開が肌に合わない人
- 後味がすっきり晴れる結末を望んでいて、重さを引きずったまま終わる幕切れが苦手な人
良い感想・レビュー
- 同じ事件を扱った漫画をいくつか読んできたけれど、これは盗まれた金の因縁が子や孫の代まで転がり続ける話になっていて、事件そのものより連鎖のほうが恐ろしかったです。
- 世界遺産になった無人島と昭和の大事件を重ねた舞台の作り方に唸りました。憎かったはずの敵役にも育った環境が人を悪の側へ押しやっていく過程が描かれていて、終盤は涙が出てきます。
- 大胆な未解決事件をここまで深い物語に組み直した手つきに驚かされます。重たいクライムサスペンスなのに張りつめた場面の合間にふっと力の抜ける軽口が挟まるので、最後まで息切れせずに読めました。
- 事件をまるで知らない僕でも置いていかれません。何が起きて警察がどう動いたのかを時系列で丁寧に説明してくれるので、昭和史を学べる読み物としても頼りになるつくり。話の規模も想像以上でした。
- 先が見えそうで見えないどんでん返しの連続もいいのですが、絵そのものの力に参りました。手や口元だけを大きく映して迷いや殺意を伝えてくるコマがあり、台詞がなくても感情がまっすぐ伝わってきます。
悪い感想・レビュー
- 逃亡劇のスリルは楽しめたのに、真相が国家ぐるみの陰謀にまで広がっていくのはやりすぎで、説得力を感じられませんでした。終盤の主人公の選択も、物語として腑に落ちないままです。
- 場面ごとの緊張感は効いているのに、読み終えたあとの充実感が薄いままでした。人物が濃いわりにひとりずつの見せ場が散ってしまううえ、見覚えのあるモチーフを詰め込みすぎている印象が残ります。
- 最後に主人公が父と死のうとした理由が、読んでもよくわかりませんでした。罪を清算するには死ぬしかないという結論を飲み込めず、残された人が汚名を背負わされるこの先を思うと気が重いです。
- よく練られているのは伝わるのに、昭和と現代を行き来する時間軸に人物がどんどん増えていくので、私は途中で筋を追えなくなり離脱しました。明るい話でもないため読み切るには根気が要ります。
- 話が進むほど絵はうまくなっているのに、中年男性の顔が似ていて誰が誰だか迷う場面が何度もありました。女性の描き分けも髪型頼みで、締めくくりもすっきりしない展開だったのが心残り。
良い感想・レビュー
- 同じ事件を扱った漫画をいくつか読んできたけれど、これは盗まれた金の因縁が子や孫の代まで転がり続ける話になっていて、事件そのものより連鎖のほうが恐ろしかったです。
- 世界遺産になった無人島と昭和の大事件を重ねた舞台の作り方に唸りました。憎かったはずの敵役にも育った環境が人を悪の側へ押しやっていく過程が描かれていて、終盤は涙が出てきます。
- 大胆な未解決事件をここまで深い物語に組み直した手つきに驚かされます。重たいクライムサスペンスなのに張りつめた場面の合間にふっと力の抜ける軽口が挟まるので、最後まで息切れせずに読めました。
- 事件をまるで知らない僕でも置いていかれません。何が起きて警察がどう動いたのかを時系列で丁寧に説明してくれるので、昭和史を学べる読み物としても頼りになるつくり。話の規模も想像以上でした。
- 先が見えそうで見えないどんでん返しの連続もいいのですが、絵そのものの力に参りました。手や口元だけを大きく映して迷いや殺意を伝えてくるコマがあり、台詞がなくても感情がまっすぐ伝わってきます。
悪い感想・レビュー
- 逃亡劇のスリルは楽しめたのに、真相が国家ぐるみの陰謀にまで広がっていくのはやりすぎで、説得力を感じられませんでした。終盤の主人公の選択も、物語として腑に落ちないままです。
- 場面ごとの緊張感は効いているのに、読み終えたあとの充実感が薄いままでした。人物が濃いわりにひとりずつの見せ場が散ってしまううえ、見覚えのあるモチーフを詰め込みすぎている印象が残ります。
- 最後に主人公が父と死のうとした理由が、読んでもよくわかりませんでした。罪を清算するには死ぬしかないという結論を飲み込めず、残された人が汚名を背負わされるこの先を思うと気が重いです。
- よく練られているのは伝わるのに、昭和と現代を行き来する時間軸に人物がどんどん増えていくので、私は途中で筋を追えなくなり離脱しました。明るい話でもないため読み切るには根気が要ります。
- 話が進むほど絵はうまくなっているのに、中年男性の顔が似ていて誰が誰だか迷う場面が何度もありました。女性の描き分けも髪型頼みで、締めくくりもすっきりしない展開だったのが心残り。
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