レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
クロコーチ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
クロコーチ
完結連載: 週刊漫画ゴラク
ジャンル: 警察・社会派/ピカレスク・ノワール/クライム・サスペンス
評価: 8.5/10
あらすじ
神奈川県警の警部補・黒河内圭太は、政治家や実業家の弱みを握って金を引き出す、県警最悪と呼ばれる悪徳警官。そこへ内偵の特命を帯びた若きキャリア管理官が現れ、目の前の悪行に言葉を失う。だが黒河内が実は狙っていた相手を知り、振り回されながらも手を組むことになる。二人が踏み込むのは、昭和で一番の未解決事件の金を元手に膨らんだ警察の秘密結社と、その闇に守られた怪物。事件は一つでは終わらず、政界の頂点をうかがう男の影が少しずつ濃くなっていく。裏切りと寝返りが息つく間もなく続き、誰が味方なのかもわからない。正義の顔をした悪と、悪の顔をした正義がぶつかる、大人のための黒い刑事劇!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- 正義と悪の線引きが崩れていくグレーな主人公の物語を、大人の目線でじっくり味わいたい人
- 裏切りと寝返りが続く先の読めない情報戦にのめり込み、二転三転する展開ほど燃える人
- 実際の未解決事件や権力の裏側を織り込んだ社会派のクライム劇を、腰を据えて追いかけたい人
向いていない人
- 一話ごとに事件がすっきり片付く読み切り型の展開を求めていて、伏線が伸び続けるのが苦手な人
- 登場人物が多く関係図が複雑に絡む長編は頭が追いつかなくなるので、軽い気持ちで読み進めたい人
- 警察や公安の描き方に現実味を求めていて、大胆に誇張された組織像を受け入れにくい人
良い感想・レビュー
- 汚職まみれの主人公が、それでも巨悪だけは見逃しません。実際の事件を織り込んだグレーな正義感の描き方がうまくて、一つ一つの事件が絡み合って膨らんでいくのに引き込まれました。
- 賄賂も脅しも法スレスレの手も、使えるものは全部使って悪党を制していく。裏の裏の裏をかく情報戦がとにかく面白くて、味方だと思った相手が寝返る度に背筋が寒くなる。
- スパッと解決するタイプの話ではなく、グレーな駆け引きをじっくり楽しむ大人向けの一作だと思う。「なるほど、そう来るか」とニヤリとさせられる場面が多くて飽きない。
- 単なるダーク刑事ものではなく、一つ一つのシーンが丁寧に描かれていて、人の心のほうにまで踏み込んでくる感じがする。読み終えたあとの手応えが思ったより大きい。
- 政治や警察の腐敗を描く話に妙なリアリティがあって、現実にもこういう闇があるのかもと思わされる。こんなダークヒーローが実際にいてくれたら、と思ってしまう。
悪い感想・レビュー
- 三億円事件など昭和の未解決事件への浪漫を詰め込んだ作りで、フィクションへの落とし込みは見事。ただこの空気感を味わえる世代は限られる気がして、若い読者にはピンとこないかもしれない。
- 最初は展開が早すぎてまるでついていけず、正直なところ一度読んだだけではよくわからなかった。二度読んでようやく巨悪には巨悪をぶつけるしかないという主題が飲み込めた。
- 普段は悪党を脅してタカる主人公なのに、最後に大物を倒すとそれまでの不快さがすべて帳消しにされる感じがする。実社会も同じかもと思いつつ、少し引っかかった。
- 大人向けの漫画だとは聞いていたけれど、想像以上に死体の描写がグロすぎる場面が多くて驚いた。グロテスクな絵が苦手な人は、覚悟してから読んだほうがいい。
- 最終巻だけ手に取って読んだが、終わり方はやや急に感じた。予想できてしまう決着で、最後の最後にそれかという気持ちが、正直なところぬぐえなかった。


