# トレース 科捜研法医研究員の追想

## 基本情報

- 著者: 古賀慶
- 連載: 月刊コミックゼノン
- ジャンル: 青年漫画、医療ミステリー、警察サスペンス
- 評価: 8.2/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年09月07日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/97231455-8848-41ed-96c3-0930c1f6721c

## あらすじ

23年前のあの日、小学生だった少年が帰宅すると、両親と姉が変わり果てた姿で倒れていた。事件が兄による無理心中として片づけられたあの日、少年は自分の手で真実にたどり着くと誓う。時は流れ、彼は警視庁科学捜査研究所の法医研究員となり、髪一本、血の一滴から事実だけを拾い上げる男になっていた。主観も憶測も切り捨てて鑑定結果だけを信じる姿勢は周囲とぶつかるが、まっすぐな新人やたたき上げの刑事を少しずつ巻き込んでいく。元科捜研勤務の作者が描く器具も工程も嘘がなく、扱う事件はどれも重い。そして家族を奪った事件の影が、警察組織の奥からじわりと近づいてくる。証拠だけを武器に闇へ踏み込む、静かな復讐譚！

## この漫画を読むのに向いている人

- 派手な推理よりも、**鑑定の工程や器具まで作り込まれた地道な捜査**をじっくり追いかけたい人
- **組織の奥にある因縁を時間をかけて掘り下げる話**が好きで、重い題材にも腰を据えて付き合える人
- とっつきにくい主任と後輩たちが**少しずつ本物のチームになっていく空気**をゆっくり味わいたい人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 事件現場や遺体の描写が容赦なく、**読んだあとしばらく気持ちが沈んだままになる**のは避けたい人
- 悪役の動機まで残さず明かされ、**読み終えたときにわだかまりが残らない決着**を求める人
- 専門用語の説明や新人が教わる場面が挟まると、**物語のテンポが落ちるのが気になってしまう**人

## 良い所

- クールで甘いもの好きな主任、人情味のある刑事、まっすぐな新人。**ばらばらな性格の面々が少しずつ本物のチームになっていく**空気が心地よくて、事件の重さの合間にくすっと笑える場面もあってほっとしました。
- ドラマで見ていた科捜研の仕事とはまるで違った。各署の資料が一か所に集まる仕組みも知らなかったし、**地味な鑑定作業の積み重ねがそのまま物語を動かしていく**組み立てに、俺はすっかり引き込まれた。
- 作者が元研究員だと知って納得しました。**実際の現場で使う器具がそのままコマに描き込まれている**ので、道具を見つけるだけでも楽しくて、重い過去を抱えた主人公の歩みにも厚みが出ています。
- 復讐劇に興味がなくて、そのくだりになったら読むのをやめるつもりだった。ところが**専門知識の裏打ちがあるぶん不穏な空気に重みが出る**から、結末が気になって最後まで付き合ってしまった。
- 美化されがちな仕事の地味さと過酷さ、それでも折れない誇りが正面から描かれている。**悪をきちんと悪として描いたうえで正義の形を問い直す**から、読み終わったあともあれこれと考えさせられる。

## 悪い所

- 真相にたどり着くまでは引き込まれました。ただ**宿敵の内側がほとんど語られないまま幕が下りる**ので、捕まっても晴れない気持ちが残ります。もう少し納得できる形の決着がほしかったです。
- 電子版で同じコマが繰り返し出てくるのが小さなストレスでした。それ以上に**新人が素人丸出しの発言をして主人公が説き聞かせる**やりとりが毎回続くので、途中から面倒に感じてしまいました。
- 検査の中身は勉強になった。ただ**警察がミスをして科捜研がひっくり返すという型**が繰り返されるせいで、警察が嫌いなのだろうという作者の色が透けて見えるのは気になった。
- エグい描写が続いて気が滅入った。**過去の惨劇を軸に据えた復讐の筋がどこかで見た形**に収まっていて、個々の事件もテンプレの範囲を出ないので、新鮮さを求めると肩透かしを食う。
- 終わり方はきれいでしたが、終盤はやや駆け足に見えました。**登場人物の顔が急に若く描かれる場面がある**ので、いま見ているのが現在なのか回想なのか迷った箇所がいくつかあります。
