レビュー著者: 漫画よしあし
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豚の復讐 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

豚の復讐

豚の復讐

著者: 黒田高祥

連載: コミックDAYS

ジャンル: 心理復讐劇サスペンスダークファンタジー

評価: 8.2/10

あらすじ

『豚の復讐』は、醜い容姿を理由に周囲から徹底的に虐げられてきた青年・豚山が、ある出来事をきっかけに“復讐”へと踏み出すダークサスペンス。人間の醜さや支配構造、歪んだ欲望が生々しく描かれ、豚山が自分を傷つけた人間たちを追い詰めていく過程は、恐怖と快楽が入り混じる独特の緊張感を生む。復讐の正当性、加害と被害の境界、そして人間の本質を問う物語で、読者の倫理観を揺さぶる強烈な作品となっている。

良い所

  • 豚山の復讐に至るまでの心理描写が非常に丁寧で、彼がどれほど追い詰められてきたのかが痛いほど伝わってきた。復讐に手を染める瞬間の感情の爆発がリアルで、読んでいて胸が締め付けられるほどだった。
  • 加害者側の描写がしっかりしていて、単なる“悪役”ではなく、それぞれが抱える歪んだ価値観や欲望が丁寧に描かれているため、復讐の構図に深みがあった。人間の醜さをここまで露骨に描けるのはすごい。
  • サスペンスとしての緊張感が常に高く、次に何が起こるのか予測できない展開が続くため、ページをめくる手が止まらなかった。特に豚山が計画を実行する場面は息を呑むほどの迫力があった。
  • 作画が非常に迫力があり、キャラクターの表情の歪みや恐怖が生々しく描かれていて、作品のダークな雰囲気を強く支えていた。心理的な恐怖を視覚的に表現する力が高いと感じた。
  • 復讐劇でありながら、豚山自身の葛藤や迷いも描かれていて、単純な勧善懲悪ではない深さがあった。読者に“復讐とは何か”を考えさせる構成が秀逸で、読み応えのある作品だった。

悪い所

  • 暴力描写や性的なシーンが非常に過激で、人によっては不快感が強く、読むのが辛くなる場面が多かった。刺激が強すぎて好みが分かれる作品だと感じた。
  • 復讐の過程が残酷すぎて、豚山に感情移入していても途中で読むのがしんどくなる巻があった。心理的負荷が高く、気軽に読める作品ではない。
  • 加害者側の描写がリアルな一方で、極端に悪意が強いキャラが多く、やや誇張されすぎていると感じる場面があった。もう少し人間的な弱さの描写が欲しかった。
  • 物語のテンポが巻によって大きく変わり、急に展開が進む部分と、逆に引き延ばしを感じる部分があった。構成にムラがある印象を受けた。
  • 復讐劇としての爽快感よりも重さが勝ってしまい、読後感が非常に暗くなる巻が多い。テーマ的に仕方ないが、読者を選ぶ作品だと強く感じた。

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