# 沈黙の艦隊

## 基本情報

- 著者: かわぐちかいじ
- 連載: モーニング
- ジャンル: 青年漫画、ミリタリー、戦争、サスペンス
- 評価: 8.8/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年08月28日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/996d030d-0b3a-4a9b-8b57-b241774e8c58

## あらすじ

千葉の沖合で潜水艦が沈み、乗組員七十六名が死んだと報じられた。だがそれは仕組まれた嘘。彼らは日米が極秘に造り上げた原潜の乗員に選ばれていた。試験航海の最中、艦長の海江田は全乗員を率いて逃げ出す。艦を独立国家「やまと」と名乗り、核を積んでいるかもしれないと世界へ突きつけた。米ソの艦隊が総力で沈めにかかり、氷の海でも大西洋でも何十隻もの敵が待ち構える。それでも海江田の操艦は、そのどれもをすり抜けていく。海の底での静かな読み合いと、陸の上で交わされる各国首脳の駆け引き。たった一隻がなぜ世界を揺さぶれるのか。核も戦争もない世界へ、一人の男が投げた問い！

## この漫画を読むのに向いている人

- 海の底での息詰まる読み合いと、陸の上の政治劇が**地続きでつながる物語**を求めている人
- 核をなくせるのか、国とは何かという問いを、**娯楽として楽しみながら自分の頭で考えたい**人
- 一人の男の判断に世界中が振り回される、**大風呂敷を広げきった長編**を腰を据えて読みたい人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 女性の登場人物がほぼ出てこない話づくりが気になり、**男ばかりの物語では乗り切れない**人
- 一隻が大国の艦隊を退け続ける展開を、**現実味のない無双**として冷めた目で見てしまう人
- 古い劇画調の絵で似た顔つきの男たちが並ぶので、**誰が誰だか見分けのつかない読書**を避けたい人

## 良い所

- 冷戦のころの話なのに、核におびえる今のほうが刺さってきた。無敵だった艦が初めて追い詰められる潜水艦戦は、読みながら体が固くなるくらい熱い。**安全保障をまるごと思考実験にしてしまう**読み応えがある。
- 海の中の一手が、そのまま陸の政治を動かす。**軍事と政治が地続き**の造りに引き込まれた。絵の迫力もすごくて、小遣いが尽きるまで買い続けてしまった。出てくる男たちが全員濃い。
- 子どものころに読んで以来ずっと好きだ。**潜水艦がここまで動き回る**とは思わなかったし、艦同士の探り合いは今もどきどきする。戦いだけでなく、今の日本に足りないものまで見えてくる。女の私でもぐいぐい読める。
- 艦長という男がとにかく引きの強い人物です。信頼も憎しみも恐れも、彼に向けられるとどれも納得できてしまいます。ずっと敵だった大統領が最後に**不十分なままの握手**を差し出す場面には、胸を打たれました。
- 前半は海の中の撃ち合い、後半は議場での思惑のぶつかり合いへ移っていく。それでも勢いが落ちない。核をなくす、世界政府をつくるという**大まじめな理想論**に触れて、なぜ人は戦うのかと考え込んでしまった。

## 悪い所

- 読んでいて気になったのは、**女性がまるで出てこない**ところ。議員にも報道の側にも一人もいない。昔の作品だと割り切ればそれまでだが、さすがに世界の作りとして不自然に映る。
- 一隻で米軍をきりきり舞いさせる展開は、途中から**ハッタリ上等の無双**に見えてくる。派手さは認めるが、読み終えると腹いっぱいで、しばらく艦の話はいいやという気分になる。
- 序盤の艦長は、かっこいいというより**得体の知れない不気味さ**が先に立つ。感情だけで噛みつく者や、彼を利用しようとする者が並ぶ。敵側に回る人物がいまひとつ立っていないのは惜しい。
- 制服姿の男たちが並ぶと**誰が誰だか見分けがつかない**。慣れるまではページを戻して確かめてばかりだった。それでも先が気になって最後まで付き合ったので、致命傷ではない。
- 時代のせいもあるのか、**さすがにそれは無理だろう**と引っかかる場面がいくつかある。核をなくす、世界政府をつくるという話も、今の世界を見ていると理想が遠すぎて素直に乗れなかった。
