レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
花は咲く、修羅の如く の感想と評価(良いところ、悪いところ)
花は咲く、修羅の如く
連載: ウルトラジャンプ
評価: 8.3/10
あらすじ
人口600人の小さな島で育った春山花奈は、朗読が好きで、島の子どもたちに読み聞かせをしている。フェリーで通う高校で、放送部の部長・薄頼瑞希にその声を見出され、入部を誘われる。「お前の本当の願いを言え、アタシが叶えてやる」。そう言い切る瑞希のもとで、花奈は全国の放送コンテストを目指し、発声や「間」の取り方を学んでいく。恵まれた声を持ちながら前を向けずにいた少女が、少しずつ前へ踏み出していく。ふたりの間にちらつく因縁の気配からも目が離せない。『響け!ユーフォニアム』の武田綾乃が原作を手がける、音のない紙の上から朗読の声が聞こえてくる放送部の青春物語!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 放送部や朗読のように、声で物語を届けることの奥深さを、知識もまじえてじっくり味わってみたい人
- 勝ち負けの派手さより、文化系の部活に打ち込む静かな熱さが伝わってくる青春ものを読みたい人
- 前を向けずにいた少女が、朗読を通して少しずつ踏み出していく成長物語をじっくり読みたい人
向いていない人
- 題名から事件や戦いが起きる激しい展開を期待していて、穏やかな部活ものは物足りない人
- 朗読の練習や本番の描写がたっぷり続く展開を求めていて、人間関係のドラマが中心になるのは苦手な人
- 青春ものによくある熱いせりふやまっすぐすぎる言葉が続くと、読んでいて気恥ずかしくなってしまう人
良い感想・レビュー
- 朗読シーンの「間」の取り方と絵の迫力に、ぐっと引き込まれました。人を惹きつける力のある漫画です。原作が実力派の小説家なので、言葉にも文学らしい美しさがあります。
- 思春期の学生を描かせたら外れがない武田綾乃さんの持ち味が、この作品でもしっかり出ている。作画のむっしゅさんの見せ方にも、読んでいて新鮮な驚きがあった。
- 朗読がメインの話ですが、発声のしかたや鼻濁音といった細かい技術までちゃんと出てきます。合唱をやっていた身としては、読みながらうなずくところばかりでした。
- 朗読の奥深さがちらりと見えて、とても面白い。素質や表現のしかたなど、朗読そのものに興味がわいてくる。文化系の部活ならではの静かな情熱も心地よい。
- 主人公が小さな島で暮らしているという設定が、とにかく好きです。そんな彼女が憧れの人に一歩ずつ追いついていく成長を、この先も楽しみにしています。
悪い感想・レビュー
- 朗読ものとして期待して読むと、肝心の朗読より人間関係の話がメインになっていて物足りなさが残ります。朗読そのものの描写を、もっと大事に扱ってほしいです。
- 舞台は京都府だが、京都に人の住む島はないし、海沿いの市の学校が全国レベルで戦えるのかも疑問。地理の設定にところどころ無理があるうえ、フェリーの形まで不自然に見えてしまった。
- 朗読という設定が先にあって、話をあとから無理にくっつけたように見えます。キャラクターもわざとらしく、知識を説明するところ以外の台詞はクサくて、読んでいて恥ずかしくなりました。
- 題名から中身が想像しにくいのは惜しいところです。てっきり事件ものだと思って読みはじめたら、実際は放送部の青春ストーリーで、ジャンルの予想がすっかり外れました。
- キャラ立ちを狙いすぎたのか、一部のキャラが「いかにもツンデレ」な型どおりの造形になっているのが残念。ほかの有名作のキャラにしか見えず、そこだけ少し冷めてしまった。









