レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
亜人 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
著者: 桜井画門
連載: good!アフタヌーン
ジャンル: ダークアクションファンタジー/SFサスペンス
評価: 8.5/10
あらすじ
医学部を目指すごく普通の高校生・永井圭は、下校中の思わぬ事故で命を落とす。だが体は勝手に治り、絶対に死なない新人類「亜人」だと大勢の目の前で発覚してしまう。捕まれば実験台にされる恐怖から、圭は警察も政府の管理委員会も賞金稼ぎも敵に回した逃亡者になる。追い詰められる中で出会うのは、亜人の権利を掲げて大規模なテロを繰り広げる冷徹な男。死ねばリセットされる不死の体を、圭は戦術として計算し尽くして立ち向かう。感情を切り離した頭脳戦と、国家をも巻き込む戦いの果てに待つ結末。もう一度あの日常へ戻るために戦い抜く、不死の頭脳バトル!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 能力の条件を細かく詰めて、その活用法を探っていく理詰めの頭脳バトルにじっくりのめり込みたい人
- 設定の謎をすべては明かさず放っておく、その余白ごと楽しめる物語が性に合うタイプの人
- 一人の能力から始まった戦いが国家を巻き込む規模へと膨らんでいく展開に燃えたいタイプの人
向いていない人
- 派手な展開そのものより、主人公にじっくり寄り添って感情移入しながら読み進めたいタイプの人
- 作り込まれた世界観にも、理屈で納得できる裏づけを一つずつしっかり求めたいタイプの人
- 作品全体に漂う暗く重いトーンより、明るく軽やかな読み心地をこそ好みたいタイプの人
良い感想・レビュー
- 死ねば体がリセットされて元通りになる。その不死の性質を逆手に取って戦術へ組み込む発想が異能バトルの新しい発明みたいで、読みながら何度も唸らされる。
- とにかくおっさんが格好いい。一本の映画のような伏線のたたみ方に唸ってしまい、脇を固めるキャラまで全員好きになった。それぞれの人生に戻っていく幕引きもよかった。
- 主人公は合理性を最優先して感情を切り離す。残った一番大きな部位で再生する性質を使う瞬間移動や、繰り返す自爆まで、理屈を突き詰めると珍妙に見える頭脳戦にのめり込んでしまう。
- 派手な戦いだけじゃなく、主人公の判断ににじむ優しさが沁みる。誰かが欠ける状況そのものを潰して犠牲を減らす。言葉ではなく行動で守る姿勢にぐっときた。
- 不死やIBMの正体を最後まで説明しないまま、もしあったらどうなるかだけを詰めていく。この説明の少なさで成立させる潔さこそ漫画で読む意味だと感じる。
悪い感想・レビュー
- 一つ一つの話は面白いのに、全体として行き当たりばったりに感じる場面がある。もう一歩踏み込んだ伏線の回収を期待していただけに、そこは物足りなかった。
- 謎を広げるだけ広げてたたまず、時系列も主人公も入れ替わっていく。主人公へ感情移入させてくれる導きが薄くて、途中から置いていかれた気分になった。
- 亜人がここまで非人道的に扱われる理由が呑み込めない。発覚した途端にまわりが手のひらを返す展開も、世界観の前提を受け入れられるかで評価が割れると思う。
- 序盤のスピード感で引き込まれたぶん、ずっと一人の敵に振り回される終盤の中だるみがこたえた。似たような小競り合いが続く印象で、失速を感じてしまう。
- クールで硬質な話かと思っていたら、終わってみれば絆や前進をまっすぐ掲げる道徳的な着地だった。序盤の読めない面白さを思うと、そこは肩透かしだった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
死ねば体がリセットされて元通りになる。その不死の性質を逆手に取って戦術へ組み込む発想が異能バトルの新しい発明みたいで、読みながら何度も唸らされる。
一つ一つの話は面白いのに、全体として行き当たりばったりに感じる場面がある。もう一歩踏み込んだ伏線の回収を期待していただけに、そこは物足りなかった。
とにかくおっさんが格好いい。一本の映画のような伏線のたたみ方に唸ってしまい、脇を固めるキャラまで全員好きになった。それぞれの人生に戻っていく幕引きもよかった。
謎を広げるだけ広げてたたまず、時系列も主人公も入れ替わっていく。主人公へ感情移入させてくれる導きが薄くて、途中から置いていかれた気分になった。
主人公は合理性を最優先して感情を切り離す。残った一番大きな部位で再生する性質を使う瞬間移動や、繰り返す自爆まで、理屈を突き詰めると珍妙に見える頭脳戦にのめり込んでしまう。
亜人がここまで非人道的に扱われる理由が呑み込めない。発覚した途端にまわりが手のひらを返す展開も、世界観の前提を受け入れられるかで評価が割れると思う。
派手な戦いだけじゃなく、主人公の判断ににじむ優しさが沁みる。誰かが欠ける状況そのものを潰して犠牲を減らす。言葉ではなく行動で守る姿勢にぐっときた。
序盤のスピード感で引き込まれたぶん、ずっと一人の敵に振り回される終盤の中だるみがこたえた。似たような小競り合いが続く印象で、失速を感じてしまう。
不死やIBMの正体を最後まで説明しないまま、もしあったらどうなるかだけを詰めていく。この説明の少なさで成立させる潔さこそ漫画で読む意味だと感じる。
クールで硬質な話かと思っていたら、終わってみれば絆や前進をまっすぐ掲げる道徳的な着地だった。序盤の読めない面白さを思うと、そこは肩透かしだった。
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