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最終更新日:

エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN― の感想と評価(良いところ、悪いところ)

エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN―

エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN―

完結
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著者: 和月伸宏

連載: ジャンプスクエア

ジャンル: バトル・アクションダークファンタジーゴシックホラー

評価: 7.8/10

あらすじ

19世紀末のヨーロッパ。天才科学者が遺した資料をもとに、人の死体をつなぎ合わせた人造人間が造られていた。両親を怪物に殺された青年は復讐を遂げるが、自らも深手を負って倒れ、女医の手で人造人間として蘇る。狂気に落ちた親友との悲しい別れを経て、彼は自分を含めた人造人間すべてを壊すと誓い、倫敦へ向かう。同じ頃、人造人間となった幼馴染を人間に戻す方法を探す青年もまた旅を続けていた。切り裂きジャック事件の裏で動く人造人間の結社、その頂点に立つ宿敵。ぶつかり合う思惑の先で、守りたかったものの正体という残酷な事実が明かされる。誰も正しくない者たちが火花を散らす、渾身の問題作!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 血や狂気の描写から逃げない容赦のないダークな作風でも、目をそらさずに最後まで読み通せる人
  • 誰ひとり正しくない者同士が火花を散らす、後味の苦い群像劇をあえて選んで読みたい人
  • 古典の怪物譚を骨組みから作り替えたバトル漫画としての大胆な挑戦を、じっくり見届けたい人

向いていない人

  • 血なまぐさく陰惨な描写が続くと気分が沈んでしまい、明るい読み心地を求めたくなる人
  • 登場人物がみな報われる幕引きを望んでいて、救いの薄い結末を読後に引きずってしまう人
  • 視点になる人物が途中で入れ替わる作りが苦手で、一本道で追いかけられる物語だけを読みたい人

良い感想・レビュー

  • 凄惨な話は本来苦手なタイプだけど、人造人間より生身の脇役に感情移入して最後まで読み切った。ダークさを一段深めた作風に、この作者の地力を思い知らされる。最後のコマでまさか泣くとは思わなかった。
  • こんな終わり方だったらいいな、と願いながら追っていた。結果は予想を全部上回って、良い方へ裏切り続ける結末だった。終盤の速さには驚いたが、振り返ればあの勢いも味だ。
  • 原典をバトル漫画に落とし込むと聞くと乱暴に思えるが、読み込んだ上での作り替えに感心した。人と人造人間が一緒に暮らす拠点の異様さなど、見たいものが詰まっていた。
  • 舞台が19世紀末の英国で、切り裂きジャックまで絡めてくる遊び心のある土台が好きだ。青年誌に移って規制が外れた分、コマの使い方まで広がった感じがある。
  • 頭のおかしい人造人間たちが、おかしくなりかけの人間をめぐって勝手に殺し合う。誰も正しくない者同士の火花が、とにかく楽しかった。数年ぶりに読み返しても傑作だと思う。

悪い感想・レビュー

  • 群像劇だと繰り返し語られるわりに、そこが伝わってこなかった。同時に進むエピソードが少なく、主人公が入れ替わるだけの構成に見えてしまったのが惜しい。
  • 作者が練り込んだ世界観と人間関係を描くには、尺が足りていない。話を前に進めるために、壮大な設定がすぐ個人の話に縮むのがもったいなかった。もっと悲劇が読みたかった。
  • つかみは良いのに、序盤は何の話なのかまるで見えない。新しいジャンルへ挑む意欲は買うが、入口の分かりにくさでつまずいた。もう少し噛み砕いた名前と筋にしてほしかった。
  • 親友を早々に片づけたあたりから、急に失速した気がする。主人公の狂気と願いが噛み合わなくなり、カタルシスの伴わない狂気には惹かれないのだと学んでしまった。
  • 面白いのだが、復讐がテーマのせいか読み終えると気分が沈む。後味が苦い読み口で、基本的に救いのない結末しか待っていなさそうな空気が最後まで漂う。

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