# マトリズム

## 基本情報

- 著者: 鈴木マサカズ
- 連載: 週刊漫画ゴラク
- ジャンル: 青年漫画、裏社会・アングラ、クライム、サスペンス
- 評価: 7.6/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年09月07日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/b2a932c3-c0a3-4178-ad43-9e9193e91646

## あらすじ

厚生労働省の麻薬取締部、通称マトリ。拳銃の携行も許された取締官の草壁圭五郎と冴貴健一は、二匹の猟犬と呼ばれながら薬物の売り買いを追っていた。ネットで仕入れた大麻を学内でさばく私大生、育児のしんどさから錠剤に手を伸ばす主婦、ひとりの時間に押しつぶされたフリーター、重圧に耐えきれなくなった高校教師。みんなほんの出来心のつもりで、二度と戻れない場所へ足を踏み入れてしまう。どんでん返しも種明かしもなく、捜査の現場はどこまでも淡々と進む。だからこそ薬の怖さがじわりと足元まで這い上がってくる。草壁には、妹を薬漬けにされて失った過去があった。長い憎しみの果てに待っていたのは、驚くほど乾いた現実！

## この漫画を読むのに向いている人

- どんでん返しや派手な演出よりも、**現実の手ざわりに近い淡々とした語り口**を好んで読む人
- 薬物の話を遠い世界のことにせず、**普通の人がどこで道を踏み外すのか**を知っておきたい人
- セリフより表情で語る絵が好きで、**視線や目つきから心の内を読み取る**時間を楽しめる人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 長い因縁の決着に**胸のすくような大きな山場**を求めていて、静かな結末だと物足りなくなる人
- 重い題材に気持ちを引きずられやすく、**後味の沈む話を続けて読む**と日常にまで響いてしまう人
- 一冊ごとに話がきれいに収まってほしくて、**エピソードが次の巻にまたがる区切り方**が気になる人

## 良い所

- 立ち直ろうと自助会に足を運んだ先で売人に声をかけられる回が、いちばんしんどかった。**やり直そうとする人の足首をつかむ手が、そこら中に伸びている**という描き方に、他人事でない怖さがある。
- 絵柄もキャラも地味で、大きなどんでん返しもない。それでも引き込まれた。**普通の人が普通の顔のまま犯罪者になっていく**手つきが淡々としているぶん、かえって生々しく響いてくる。
- 作者が描く目の表現に見入ってしまいました。派手な動きをつけないぶん、**視線ひとつで人物が抱えているものが伝わってきます**。写実に寄せた絵だからこその重さがありました。
- 騒がしい見せ場をつくらず、静かな描き方で薬の恐ろしさを積み上げてくるのが刺さった。**使う側の人間に目を向けた作品はあまりない**と思うので、この角度から描いてくれたのがうれしい。
- 薬に手を出す場面に、決意や勇気がほとんど描かれない。**そこにあったから、つい手が伸びた**という流ればかりで、日常の景色が消えないまま話が進むところが薄ら寒い。

## 悪い所

- 長年追い続けた売人をついに捕まえる場面が、あっさり流れていったのは物足りなかった。**物語の山場まで淡々と描き切ってしまう**姿勢は誠実だが、漫画としてはもう少し熱がほしかった。
- 主人公の妹に何があったのかを知りたくて読み進めたぶん、終わり方には肩透かしを食らった。**引っ張ってきた因縁の答えがあっけない**ので、そこ目当てで手に取る人にはすすめにくい。
- 読んでいるうちに気分が引きずられて沈んだ。真面目に働いていた人が崩れていく回はきつくて、**転落の道すじを丁寧に見せられる**ぶん胸が痛む。一日一話くらいがちょうどいい重さだった。
- 相棒の過去も気になっていたのに、はっきりしないまま終わってしまいました。**掘り下げてほしい人物の背景がぼかされたまま**なので、読みやすさの裏で物足りなさが残ります。
- 一冊の最後の話が次の巻へ続く作りには、毎回もやもやします。**話の切れ目と巻の切れ目がずれている**せいで読後感がすっきりしません。面白いだけに、きりよく終わらせてほしいと毎回思います。
