レビュー著者: 漫画よしあし
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日に流れて橋に行く の感想と評価(良いところ、悪いところ)
日に流れて橋に行く
著者: 日高ショーコ
連載: Cookie/YOU
評価: 9/10
あらすじ
明治末期の日本橋を舞台に、老舗呉服店「三つ星」の再興を描く本格時代ドラマ。英国帰りの三男・星乃虎三郎は、時代の変化を見据えた新しい商いを取り入れようと奔走するが、伝統を重んじる家族や番頭との衝突、女性店員たちの葛藤など、さまざまな壁に直面する。呉服業界の変革期と百貨店誕生前夜の空気を背景に、商いに懸ける情熱と人間関係の機微が緻密に描かれていく。丁寧な時代考証と美麗な作画、重層的な人間ドラマが融合した、読み応えのある長編作品。
良い所
- 明治という時代の空気が細部まで描き込まれていて、日本橋の街並みや呉服の意匠を眺めているだけでも楽しい。物語と歴史が自然に結びついていて引き込まれた。
- 虎三郎の理想と現実のはざまで揺れる姿がリアルで胸を打つ。単なる成功譚ではなく、失敗や葛藤を丁寧に描いている点に深みを感じた。
- 登場人物一人ひとりの背景がしっかり描かれており、脇役に至るまで感情移入できる。群像劇としての完成度が高い。
- 絵が美しく、和装や洋装の描写がとても華やか。ファッションや商いの描写が物語の魅力をさらに引き上げている。
- 長編ながら展開が着実に積み重なっていき、読み進めるほど物語の厚みを実感する。読み終えた後の満足感が大きい。
悪い所
- 専門的な商売の話や時代背景の説明が多く、テンポがゆったりしているため、軽快な展開を求めると重く感じた。
- 登場人物が多く、それぞれの立場や関係性を把握するまでに時間がかかった。
- 物語がじっくり進む分、大きな山場までの助走が長く感じる巻もあり、盛り上がりを待つ印象を受けた。
- 恋愛要素は控えめで、感情の爆発よりも内面描写が中心なので、ドラマチックな展開を期待すると物足りなさが残った。
- 刊行ペースがゆるやかなため、前巻の内容を思い出しながら読む必要があり、物語への没入が途切れることがあった.
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