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最終更新日:

海月姫 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

海月姫

著者: 東村アキコ

連載: Kiss

ジャンル: ラブコメディ成長物語ギャグ・コメディファッション

評価: 8.4/10

あらすじ

イラストレーターを夢見て鹿児島から上京した月海が暮らすのは、男子禁制、オタク女子だけのぼろアパート。クラゲを眺めるぬるま湯の日々は、ある晩の出会いで引っくり返る。困っていた自分を助けてくれた美女が、翌朝、実は女装した政治家の息子だったと知るのだ。やがて持ち上がる立ち退きの話。住処を守るため、月海のクラゲを描く絵の才能を元手にファッションブランドを立ち上げるという無茶な計画が動き出す。やがて評判を呼んだドレスは海を越え、仲間の絆も芽ばえたばかりの恋心も大きく揺さぶられていく。飾ることを知らずに生きてきた女の子たちが針を持ち、やがて素顔のまま世界の前に立つ。笑って泣けて、最後には自分の服を選びたくなる大団円!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 飾ることに縁がないまま暮らしてきて、服や化粧の力でこれまでの自分をガラリと変えてみたいと思っている人
  • 濃すぎる変わり者たちが騒ぐ賑やかさと、笑っている途中でふっと切なくなる恋の両方を味わいたい人
  • 広げた話をきちんと畳み、登場人物の全員に行き先を用意してくれる結末まで見届けたい人

向いていない人

  • 物語の速度がふっと落ちる時期が苦手で、最後まで一定の勢いが続く展開をひたすら求めている人
  • 舞台や顔ぶれが増えていくより、最初の登場人物と恋模様だけを丁寧に追う話を読みたい人
  • 結末の畳み方に納得したい気持ちが強く、駆け足で締めくくられる終わり方に引っかかりやすい人

良い感想・レビュー

  • ドタバタ笑いの裏で、着飾ることは自分を守る鎧になるという一言が刺さりました。読み終えてから、しまい込んでいた化粧道具をひっぱり出している自分に気づいて苦笑いです。
  • 最初は絵柄になじめなかったのに、気づけばあの下宿の住人たちの虜だ。前髪を上げただけで別人になる変身の場面には目を奪われたし、居候が勝手に増えていく賑やかさも笑える。
  • 得体の知れない大物社長が現れてからは、次に何をしでかすのか目が離せない。強面の男がふいに見せる可愛げにやられたし、作者が好きな服の世界を詰め込んだ熱量もまっすぐ伝わってくる。
  • 散らかり放題の群像劇なのに、最後はちゃんと全員に居場所が用意されます。読み終えた後もあの人たちの暮らしを想像したくなる閉じ方で、しばらく本を置けませんでした。
  • オタク女子の描き方は大げさなのに妙に身に覚えがあって、笑いながら胸が痛む。服のブランドが育っていく裏側まで覗けるので、着るものに疎い自分でも引き込まれた。

悪い感想・レビュー

  • 途中まで夢中だったのに、舞台が海外へ移ってからは話の運びが急に大ざっぱになったように思えてなりません。絵の勢いも落ちて、提案される服も着たいとは思えませんでした。
  • 終わり方が駆け足で、好きだった脇役たちが置いていかれたのが悔しい。最後に披露される衣装も最初の一着ほど胸が高鳴らず、眼鏡を外せば全員美人という落とし所にも首をかしげた。
  • 序盤の勢いが好きなだけに、後半でギャグが同じ型の繰り返しになるのはつらかったです。面倒くさがりだった住人たちが黙々と縫い続ける姿も、どうにも腑に落ちません。
  • 後半はあちこちに話を広げすぎて、焦点がぼやけた気がします。恋の決着がついても晴れ晴れしないのは、住人たちの騒がしさと恋模様だけに絞ってほしかったからかもしれません。
  • 怒涛の展開を待っていた分、中盤の足踏みが長く感じられて仕方ない。主人公が何を望んでいるのか見えてこない時期が続き、読みながらやきもきさせられた。

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