レビュー著者: 漫画よしあし
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べしゃり暮らし の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「相方とは、運命共同体である」という重いテーマが、森田先生の泥臭い画風で描かれることで、どんな言葉よりも深く心に突き刺さりました。お笑いをテーマにしながら、これほどまでに熱く泣かされる漫画は他にありません。
- キャラクターたちの表情の描き込みが凄まじく、漫才シーンの間や空気感が、ページ越しにリアルに伝わってきました!笑いを取る瞬間の爆発力と、スベった時の冷や汗の描写には、読んでいて本気で息が止まりました。
- 主人公の圭右の、「笑わせるためならプライドすら捨てる」という狂気にも似た情熱に、圧倒されました。彼の成長と共に、周囲の芸人たちの挫折や再起も丁寧に描かれていて、群像劇としての完成度が非常に高いです。
- 漫才のネタそのものを、漫画という表現でここまで面白く見せる技術には脱帽です。リズム感やテンポを計算し尽くしたコマ割りのおかげで、自分も劇場の一列目に座ってライブを見ているような没入感を味わえました。
- 全20巻、プロの世界の厳しさを誤魔化さずに描き切った結末には、ただただ拍手しかありません。夢を追うことの残酷さと、それでも辞められない魔力を、これほどまでに生々しく伝えてくれる傑作に出会えて幸せです。
悪い所
- 物語のトーンが「笑い」よりも「感動」や「熱い友情」に寄りすぎている時期があり、純粋に爆笑できるコメディを求めている人には、内容が少し重すぎる、あるいはお説教臭く感じられてしまう場面があるかもしれません。
- 漫才という生モノを扱っている以上、作中のネタが自分の笑いのツボと合わない時に、物語の盛り上がりに乗り切れないという、テーマ特有の難しさがありました。漫才の面白さを文字で伝える限界を、少し感じてしまう瞬間も。
- 物語の最終盤にかけての展開が、少し駆け足に感じられ、もっとじっくりと彼らが売れていく過程や、ライバルたちとの決着を見届けたかった、という物足りなさが残りました。もっと長く読みたかった、というのが本音です。
- 森田先生の画力が凄すぎて、キャラの顔つきが常に全力投球なので、日常シーンでも画面から受ける圧迫感がかなり強いです(笑)。一気読みをすると、熱量に圧倒されて、こちらまで知恵熱が出そうなほどの重厚さがあります。
- 一部の脇役キャラクターたちの扱いが、中盤以降フェードアウトしてしまったのが少し残念でした。魅力的な芸人仲間が多かっただけに、彼らがその後どうなったのか、もっと補完してくれるエピソードがあれば完璧でした。





