# 多重人格探偵サイコ

## 基本情報

- 著者: 大塚英志、田島昭宇
- 連載: ヤングアニマル
- ジャンル: ミステリー、ホラー、サスペンス
- 評価: 8.7/10
- 最終更新日: 2026年04月25日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/d4ff5c26-666b-4b07-b985-a740d57b728a

## あらすじ

元刑事の雨宮一彦。彼の身体には、いくつもの人格が共存していた。宅配便で届く切断された恋人、網膜に焼き付く猟奇殺人……大塚英志×田島昭宇が贈る、衝撃のショッキング・サスペンス。耽美で緻密な作画で描かれる、トラウマ級のビジュアルと、精神世界、テロ、巨大な陰謀が絡み合う迷宮の物語。日本漫画史に残る問題作にして、圧倒的な美学を貫いた猟奇犯罪の金字塔。

## 良い所

- **田島昭宇先生による「耽美でスタイリッシュ、かつ極めて緻密な画力」**に心底圧倒されました！キャラクターの美しさが、逆にグロテスクな描写を際立たせ、唯一無二の「不気味な美学」を画面全体から放っています。
- **第1話の「切断された恋人」をはじめ、網膜に焼き付く衝撃的なビジュアル**の数々。当時の漫画界に激震を走らせた、突出した猟奇的描写とインパクトは、今読んでも全く色褪せない、トラウマ級の凄みがあります。
- 大塚先生による、**「多重人格、精神世界、巨大な陰謀が複雑に絡み合う難解なストーリー」**に中毒的な魅力を感じます。単なるサスペンスに留まらず、人間の本質を問うような重厚な世界観に、深く没入させられました。
- **「雨宮一彦という空っぽな容れ物」を巡る、人格たちの攻防**が秀逸に描かれています。誰が主人格なのか、自分の正体は何なのか。出口のない迷宮を彷徨うような不安定な心理描写が、物語に独特の緊張感を与えています。
- スタイリッシュなファッションや小物のデザインに至るまで、**徹底した美意識が貫かれている**のが素晴らしい。全編に漂う悪意と美しさが同居した空気感は、他のどの漫画にも真似できない、孤高の完成度を誇っています。

## 悪い所

- **物語が進むにつれて設定が複雑化しすぎて、収拾がつかなくなった感**が否めません。後半になるにつれ何が本筋なのか理解が追いつかなくなり、煙に巻かれたような終わり方に、不完全燃焼を覚える読者も多いはず。
- **あまりに残忍で過激な猟奇描写**が続くため、精神的に非常に疲弊します。人によっては生理的な不快感や、悪意のスパイラルに当たる恐れがあり、万人に勧められるエンタメとは言い難い、極めて「読む人を選ぶ」作品。
- **初期の「猟奇殺人事件を解決するサスペンス」**というスタイルが、物語が壮大になるにつれ霧散してしまったのが残念です。初期の推理ものとしての面白さを期待していると、後半の難解な展開に置いてけぼりに。
- **登場人物が増え続け、人格の入れ替わりも激しいため**、キャラクターへの愛着を持ちにくい時期がありました。物語を動かすための駒のように見えることもあり、感情移入よりも「現象の観察」に近い読み味になりがち。
- 20年にわたる連載ゆえに、**作風やテーマに一貫性が欠けている**ように見える箇所がありました。初期の鋭利な毒気が、後半は哲学的な思索に埋もれてしまった感があり、完結まで追うにはかなりの忍耐力を要する怪作。
