レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
保健室の死神 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
保健室の死神
完結著者: 藍本松
連載: 週刊少年ジャンプ
評価: 7.8/10
あらすじ
常伏中学校に赴任してきた保健室の先生は、白髪に顔じゅうのひび割れという、ひと目で身がすくむ見た目をしていた。生徒たちは怖がって近寄らない。けれど中身は、誰よりも生徒思いのお人好しだ。人の心の隙間に入り込んで悪さをする怪異「病魔」を、自分の体に飼う病魔で喰らい尽くすのが彼の役目。劣等感や見栄、嫉妬といった思春期の揺れにつけ込んで現れる病魔を、先生は取り憑かれた子ごと救い上げていく。やがて保健室は、行き場をなくした生徒たちが自然と集まる場所に変わった。ギャグもお色気もアクションもある学園の怪異ばなしでありながら、根っこにあるのは人の弱さを笑わないまなざし。怖い顔の先生が迎えてくれる、あたたかい駆け込み寺のような保健室!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 見た目が怖いというだけで避けられている大人が、誰よりも子どもの弱さに寄り添う姿にぐっとくる人
- 一話完結でよく練られた事件が続き、読み返すと第一印象が変わる学園ものを探している人
- お色気や笑いで軽く読ませておきながら、根っこに人間ドラマがきちんと描かれている話を読みたい人
向いていない人
- 必殺技の名乗りや技のぶつけ合いなど、少年漫画らしい戦いの見せ場を何より先に求める人
- 怪異ものには本気の恐ろしさを求めていて、絵がきれいだと怖さが削がれると感じてしまう人
- 似た組み立ての事件が続くと飽きてしまい、毎回大きく物語が動いていく話のほうを好む人
良い感想・レビュー
- 一話完結の話がどれもよく作られていて、男子ふたりの友情を描いた回では思わず涙ぐみました。子どもの複雑な気持ちがそのまま怪異の姿になるので、退治する場面が心をほどく場面にもなっています。
- 巻を追うごとに話の組み立てがぐんと良くなる。最初は嫌なやつにしか見えなかった男子が、怪異に取り憑かれた一件を境に好きなキャラに変わっていて、読み返すと第一印象がひっくり返るのが楽しい。
- 誰もが認める美形よりも、口は悪いけれど友達思いで面倒見のいい男子のほうが断然かっこよく見えてきた。かっこよさの順位が読むうちに入れ替わっていく書き方がうまい。
- 打ち切りと聞いていたのに、張った伏線はきちんと畳んでありました。脇の生徒たちがとにかく濃くて、その子たちが騒いでいるだけで一話が成り立つのだから大したものです。
- 脱線も引き延ばしもなく、最初から最後まで筋が一本通っている。お色気混じりの軽いギャグ漫画の顔をしていながら、中身はきちんと人間ドラマとして着地するところが好きだ。
悪い感想・レビュー
- 敵を食べる霧のような力がほぼ一本調子で、必殺技らしい必殺技が最後まで出てこない。少年漫画としての戦い方に工夫が乏しいぶん、先輩格の学園怪異ものと比べると物足りなさが残った。
- 顔のひび割れという設定のわりに、少しも恐ろしく見えないのが惜しかったです。笑いにも戦いにも寄せた結果だとは思いますが、ホラーを看板にした割に絵がきれいで怖くないのはもったいなく感じました。
- 病魔とのぶつかり合いが、思ったより淡々と流れていく。戦いの見せ場が薄いまま話だけ進むのがもどかしかった。加えて生徒がどんどん増えるので、名前と顔を覚えるのに苦労した。
- お色気を担うキャラの馬鹿騒ぎが肌に合わず、出てくるたびに読む手が重くなりました。笑わせにきているのに素直に笑えない人物がいるのは、なかなかしんどいところです。
- 絵もうまいし話も面白い。ただ、途中から似た筋立ての繰り返しに見えてきて、終盤は少し飽きがきた。同じ型の事件が続くと驚きが薄れるので、この長さで畳んだのはむしろ良かったと思う。
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