# 国境のエミーリャ

## 基本情報

- 著者: 池田邦彦、津久田重吾
- 連載: ゲッサン
- ジャンル: スパイアクション、ディストピア、歴史改変SF
- 評価: 8.5/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年10月31日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/ea8777a1-fffa-4bf7-95e7-26a57fda7b50

## あらすじ

戦争に負けた日本は東西に分断され、東京の真ん中には高い壁がそびえ立つ。1962年、東トウキョウの駅にある人民食堂で「昼食は売り切れ！」と声を張る少女エミーリャ。だが彼女には、西へ逃げたい人々をひそかに国境の向こうへ送り出す脱出請負人という裏の顔があった。鉄道や地下の道、街の地理を知りつくした彼女は、人民警察の目をかいくぐり、数学者や元軍人、芸術家たちの命がけの越境を手引きしていく。笑わない少女の冷静な判断と、依頼人それぞれが抱える事情。ロシア語まじりの看板が並び、東側の車両が走る街並みから、ありえたかもしれない冷戦下の緊張がじわりと伝わってくる。壁の向こうへ人を逃がす、ひりつく越境劇！

## この漫画を読むのに向いている人

- **もしもの歴史を細部までリアルに作りこんだ世界**に浸り、読み返すたびに新しい発見を楽しみたい人
- 鉄道や路面電車、実在の建物といった**街並みの描写が作品の説得力を支える**漫画を読みたい人
- 冷静な主人公が依頼ごとに人を逃がす、**一話ごとの脱出劇と群像劇**をじっくり味わいたい人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 若い主人公が熟練のプロのようにふるまう展開に、**キャラクターの説得力を強く求めてしまう**人
- 架空の歴史ものには、**最後まで同じ世界観のまま描ききる結末**を望み、大きな展開の転換が苦手な人
- レトロでクセのある絵柄が苦手で、**絵が物語の雰囲気に合っているか**をまず重視したい人

## 良い所

- 二十歳前後の娘が**ゴルゴ顔負けの冷静さと判断力**で脱出の仕事をこなしていきます。運に助けられる回も協力者に救われる回もあり、そこに出てくる人間模様がどれもおもしろいです。迫力があります。
- 鉄のカーテンの向こう側としての東トウキョウがリアルだ。読み返すたびに、**細かく作りこまれた設定に新しい発見がある**。架空なのに、こんな過去もあったかもしれないと思わせる東京がそこにある。
- 東西に分かれた日本という架空の話なのに、鉄道やトロリーバス、上野駅、旧両国国技館までリアルに描かれています。**リアリズムで組み立てたフィクション**として読み応えがありますね。
- もし本土決戦で負けた日本がソ連側とアメリカ側に分かれていたら。そんな**ベルリンの壁の日本版**という着眼点がまず面白い。脱出の一件一件を柱にした群像劇という流れも、この舞台によく合っている。
- 昔のようで未来のようでもあり、身近なのに遠い国の話にも見えます。混沌の中に緊張感がまじる、**不気味な魅力のある世界**です。絵もレトロなのに一度見たら忘れられない新しさがあって、すごい作風だと思いました。

## 悪い所

- 人脈も知識もあって冷静沈着、ゴルゴのような凄みまであります。そんな**未成年の少女が熟練のプロとしてふるまう**ことに、強い違和感を覚えました。うっかりな所はかわいいので、その辺りの説得力がほしいです。
- ずっと読んできた身として、最後の展開はどう評価すべきか迷う。良くも悪くも**読者の予想を裏切る結末**だった。あの世界観で最後まで描ききってほしかった気持ちと、これもアリかという気持ちがまだ同居している。
- 東側が共産化した日本という題材は意外と描かれてこなかった気がする。本土決戦をした設定なら、その場面も少し見たかった。序盤は脱出請負人の小話から始まるので、**もう少し重厚さを求めたくなる**。
- 最後の展開はあわただしく感じます。**タイムトラベルまで持ち込むのはやりすぎ**に思えました。無理をしてまで壁のない世界に戻さなくても、よかった気がします。
- 東西に分断された東トウキョウで脱出を請け負う少女の話で、ストーリーも設定も好みだ。ただ**絵が作品の雰囲気に少し合わない**気がする。評価はその分を差し引くことにした。
