# 家栽の人

## 基本情報

- 著者: 魚戸おさむ、毛利甚八
- 連載: ビッグコミックオリジナル
- ジャンル: 青年漫画、ヒューマンドラマ、法律
- 評価: 8.8/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年09月12日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/fdb13681-dea7-46e6-b843-be049d745623

## あらすじ

家庭裁判所に、植物ばかり気にかけている風変わりな判事がいる。桑田義雄、最高裁判事を父に持ち成績も抜群でありながら、栄転の話を断って地方の家裁に留まり続ける男。少年事件、離婚、遺産争い。持ち込まれるのはどれも、正しさだけでは片づかない家族のもつれ。桑田は当事者の話をとことん聞き、草木の育ち方になぞらえながら、傷ついた子どもと親に向き合っていく。「育てなければ…毎日愛して、そこから始めませんか」。裁くのではなく栽てる。各話に添えられた植物の名前が、そのまま誰かの生き方と重なっていく。弱った子に要るのは、待ってくれる大人のまなざし。そう気づかせてくれる、静かな法廷ドラマ！

## この漫画を読むのに向いている人

- 結論を急がず、**傷ついた子どもが育つのを待つ大人のまなざし**をじっくりと味わいたい人
- 法廷ものでも、勝ち負けの決着より**当事者の心の奥をゆっくりほどいていく過程**を追いかけたい人
- 教師や親として子どもと関わっていて、**加害の側にも事情があるという見方**に触れたい人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 白黒はっきりした判決で締めくくる話を求めていて、**結末を読者に委ねる幕切れ**が苦手な人
- 犯した罪の重さに見合った罰こそ必要だと考えていて、**更生を信じて待つという前提**になじめない人
- **今の感覚とは違う家族観や言い回し**が出てくるたびに、気になって物語に入り込めなくなる人

## 良い所

- 基本は一話完結で気軽に読めるのに、**法廷でひっくり返る回の切れ味**には毎回やられます。ぼんやり植物をいじっていた判事が、裁きの場では別人みたいに鋭くなります。そのギャップが好きです。
- 家裁は裁く場所ではなく栽てる場所、というタイトルの意味を知って背筋が伸びた。**傷ついた子をそのまま受け止めて育つのを待つ姿勢**が全編に流れている。法律の裏づけも確かで、絵空事に見えないのがいい。
- 虐待した母親にも判事はじっくり耳を傾けます。ぽつりぽつりと語り出す場面で、責める前に聞くことの重さを教わりました。**加害の側にも事情があると知らされる描き方**は、子どもと関わる仕事の人に届くと思います。
- 植物に触れているときと同じ距離感で人と向き合う判事が好きだ。遠い島から運ばれてきた木の話が忘れられない。出たばかりのパソコンを使った事件まで扱っていて、**当時の世相を閉じ込めた記録**にもなっている。
- 荒れた中学で起きた体罰事件の長編では、拳を握ったまま読み進めた。**社会の歪みが子どもの息苦しさに直結していく描き方**が容赦ない。息子の不登校に悩みながら少年に向き合う判事の姿にも、何度も手が止まった。

## 悪い所

- 現実にこんな進め方をしていたら裁判は回らないだろうな、とは思う。**理想の判事像として楽しむ割り切り**が要る。あと舞台が変わってからの長い章は、自分の目には付け足しにしか映らなかった。
- 事件も調停もあれだけ細かく描くのに、**肝心の決定だけ最後まで明かさない作り**には物足りなさが残る。そういう作品だと頭ではわかっていても、すぱっと裁きを見せてほしい気持ちは消えない。
- 少年の側に寄り添う話が続くと、どうしても被害者の側からしか読めない回がある。**結末を言いかけたまま笑顔で終わる幕切れ**にも戸惑った。素人より法曹の人に向けて書かれた本なのかもしれない。
- 凶悪な事件を起こしたなら、十代後半でも大人と同じように裁いてほしいと考えている。**年齢を理由に更生の側へ振れていく判断**には、どうしてもうなずけなかった。少年であることは免罪符にならないはずだ。
- 独特の空気は心地よいし各話の出来もいい。ただ相当に昔の作品なので、**今の感覚とずれた家族観や言い回し**に引っかかる場面が何度もあった。そこも含めて読むものだと割り切れるかは人によると思う。
