# アルキメデスの大戦

## 基本情報

- 著者: 三田紀房
- 連載: 週刊ヤングマガジン
- ジャンル: 青年漫画、架空戦記、ミステリー・サスペンス、経済・ビジネス漫画
- 評価: 8/10
- 完結済み
- 最終更新日: 2026年09月07日
- 元ページ: https://mangayoshiashi.com/manga/ffcc2fbc-2646-47d4-b0e6-75e1a2e828ef

## あらすじ

1933年、日本海軍の会議室。次の旗艦をどう造るかで意見が割れるなか、巨大戦艦の建造費だけが不自然に安く見積もられていた。裏に不正があると読んだ山本五十六が呼び寄せたのは、軍とは縁のない帝国大学の数学者・櫂直。戦艦の知識はゼロ、頼れるのは数字だけ。民間の造船所に足を運び、鉄の重さから建造費をはじき出す式をつくりあげ、決定会議の場で権威たちの偽装を暴き立てる。撃ち合いの場面はほとんど出てこない。数式ひとつで軍のお偉方をねじ伏せていく。それでも歴史は止まらず、櫂の願いは時代の勢いに押し流されていく。数字で戦争に抗った男の、静かな激闘！

## この漫画を読むのに向いている人

- 刀も銃も出てこなくていいから、**数字と理屈だけで格上をねじ伏せる展開**にしびれたい人
- 戦争を止めようとした側から、**あの時代がどこで引き返せなくなったのか**を考えてみたい人
- 実在の人物と出来事のすき間に架空の主人公を置く、**史実を土台にした重たい仮定の物語**が好きな人

## この漫画を読むのに向いていない人

- 当時の海軍や国のあいだの動きに馴染みがなく、**説明の少ない歴史用語の応酬**をしんどく感じる人
- 結末が史実で決まっている物語にも、**すべてがひっくり返る大逆転の爽快さ**を最後まで期待したい人
- 登場人物の表情が硬めの劇画寄りの絵よりも、**やわらかく整った画面**でくつろぎながら読みたい人

## 良い所

- 建造費の調査なんて地味な話だろう、と読み始めた私が甘かった。戦艦の知識ゼロで海軍に放り込まれた男が、**計算の力だけで大人たちの嘘を崩していく**。裏方の仕事がここまで痛快になるとは思わなかった。
- **歴史のどこか一点を変えれば違う未来があったのでは**と、読みながら考えてしまいます。事件も人物もほぼ史実どおりなのに、架空の数学者が一人まぎれこむだけで、別の結末さえ見えそうになりました。
- いかつい軍人たちの前で、若造がひとり黒板に向かう場面。数式が並ぶほど部屋の空気が変わっていくのがわかります。**理屈が権威をまっすぐ突き崩す瞬間**を、この漫画で初めて見た気がします。
- 戦争を止めたいはずの人が、気づけば新しい戦闘機をつくる側に回っている。望まない場所まで人を運んでいくのが時代なんだと思い知らされた。俺が怖いのは、**善意で動いた結果が戦争の準備になっていく流れ**だった。
- 大和が造られる以上、主人公は負けるんでしょうと構えていた。それでも最後は**負けたのに納得できてしまう決着**にたどり着く。予想が外れて、僕は悔しいような嬉しいような気分になった。

## 悪い所

- 大和を造った軍人たちが、見栄と名声だけで動いた愚か者のように見えてきます。実際にあの艦へ乗った人がいると思うと、私は**片側からだけ断罪していく描き方**に素直に頷けないままでした。
- 国力で五十倍、石油の精製能力で百二十倍。数字を並べて勝てないと言い切る場面で、僕は引っかかった。**その時代を生きた人間には見えないはずの結論**が、主人公の口からすらすら出てくる気がした。
- 戦争を止めたいから軍に入る、という理由づけが僕にはうまく飲み込めなかった。**主人公が腹を決める場面の説明が足りない**ぶん、そこから先の行動が急に立派すぎるように見える。もう少し迷う時間がほしかった。
- 当時の海軍内の派閥争いや国家間の動きが説明なしに次々と出てくるところがあり、私はスマホで調べながら読みました。**前提の歴史をある程度知らないと置いていかれる**場面はやっぱりあって、正直きつかったです。
- 見積もりが安かった理由は、要するに他の艦とまとめて勘定していただけ。ここは正直ガクッときた。おまけにあの戦艦の行く末は誰でも知っているので、**先の分かっている結末へ向かう空しさ**が最後まで消えなかった。
