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最終更新日:

野望の王国 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

野望の王国

著者: 雁屋哲由起賢二

連載: 週刊漫画ゴラク

ジャンル: 青年漫画バイオレンス劇画ピカレスクロマン

評価: 8.5/10

あらすじ

人間を動かしているのは、結局のところ暴力だ。東大法学部を首席で出た橘征五郎と盟友・片岡仁は、その一点だけを信じ、日本制覇という果てしない野望に燃える。第一歩は、実父が率いる巨大極道組織の乗っ取り。実力者の兄たちを次々と手にかけ、正統な後継者である異母兄との血みどろの抗争へ突き進む。狂気の警察署長、政財界を裏で操る黒幕、新興宗教までが絡み合い、川崎の街は重火器と爆破で焦土と化していく。多くの仲間と愛する者を失い、それでも頂点へ登りつめた男の前に広がっていたものとは。理屈をまとめて吹き飛ばす熱量で描き切る、昭和バイオレンス劇画の金字塔!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 理屈や整合性はひとまず置いて、ページを埋め尽くす熱量と迫力に頭から飲み込まれたい人
  • 集中線だらけの画面や大げさな演出まで含めて、濃厚な昭和劇画の味わいを求めている人
  • 非情な暴力の裏側で描かれる、血の通った人間ドラマの熱さまで、しっかり味わい尽くしたい人

向いていない人

  • 物語の緻密さやリアリティを重んじ、ご都合主義的な展開が続くとどうしても冷めてしまう人
  • 暗殺や拷問の連続など、度を超えた流血と暴力描写そのものが、どうにも生理的に受けつけない人
  • 天才設定にふさわしい知略や頭脳戦を期待し、力押しの解決ばかりでは物足りなく感じる人

良い感想・レビュー

  1. とにかく展開が早く、バイオレンス描写の苛烈さに最初から最後まで圧倒された。すさまじいとしか言いようがない熱量に、頭を空っぽにして飲み込まれる。
  2. あの『美味しんぼ』の原作者が描いたとは信じられない。冷酷に肉親すら利用しながら、どこか妙に義理堅い男たちの行動から、私は目が離せなくなった。
  3. 登場人物が驚くときの過剰な演出、画面を埋める集中線、熱量の高いセリフ回し。これぞ昭和の劇画という濃さが全部詰まっていて、私はにやけっぱなしだ。
  4. 死屍累々の復讐と暴力の応酬は、とにかく見応えたっぷりだ。読んでいるうちに、脳みそまで野望に染まっていくような、妙な高揚感がずっと抜けなかった。
  5. 野望のために肉親すら利用する征五郎と、弟を愛しながら最大の敵として立ちはだかる兄。極限で交わされる人間ドラマが本物で、私は何度も胸を締め付けられた。

悪い感想・レビュー

  1. 基本は後出しジャンケンのような似た流れの繰り返しで、最終巻の後半は帳尻合わせにしか感じられなかった。テレビ討論会あたりがピークだったと思う。
  2. あまりにも何人もの人間が簡単に殺されすぎて、まるで戦争のような描写ばかりが続く。リアリティやストーリーの緻密さを求めて読むと、物語の雑さが気になって途中で飽きてしまった。
  3. 日本制覇を掲げているのに、なぜかずっと川崎という限られた狭い地域の抗争にばかり固執している。スケールが大きいのか小さいのか、途中でわからなくなった。
  4. とにかく暴力と暗殺と拷問のオンパレードで、絵柄の古さも相まって読んでいて精神的に疲れてしまう。万人受けする内容ではないし、食事の前後には絶対に読まない方がいいと思う。
  5. 東大卒の超天才という設定の割に、解決方法は毎回、手下を大勢雇っての武力の強行突破ばかり。知略や頭脳戦を期待すると、かなり肩透かしを食らった。

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