レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
砂の栄冠 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
砂の栄冠
完結著者: 三田紀房
連載: ヤングマガジン
評価: 8.6/10
あらすじ
埼玉の県立進学校、樫野高校。夏の決勝で力尽き、頼れる先輩も抜けた野球部を継いだ七嶋の前に、長年チームを見守ってきた老人が現金一千万円を差し出す。この金で甲子園へ連れて行ってくれ、と。甲子園は興行だ。バックネット裏の常連から聞いた言葉を手がかりに、七嶋は札束を握って動きだす。腕利きのノック職人を雇う。審判と観客の心をつかむ振る舞いを仕込む。保身しか頭にない監督すら、思いどおりに動かしていく。爽やかな球児を演じる裏側で、仲間への疑いと後ろめたさがふくらむ。勝ちたいという願いは、どこまで汚れても許されるのか。土の下に埋めた一千万円が問いかけてくる、異色の高校野球!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 汗と根性で押し切る展開よりも、勝つための段取りを一つずつ積み上げていく過程をじっくり追いかけたい人
- 主人公も周りの大人も清いばかりではない、腹の内が黒いままで進む群像劇にニヤリとできる人
- テレビで見てきた高校野球の裏側や、勝ち負けに大人の思惑がからむ仕組みまで知りたくなる人
向いていない人
- まっすぐな汗と涙で押し切ってくれる、王道の熱血スポーツものを読みたくて手に取る人
- チーム内のいがみ合いが長く続く展開が苦手で、仲間どうしの結束が早く見たくなってしまう人
- 語られずに終わったところを自分で補うのは好みではなく、きっちり畳まれた結末を望む人
良い感想・レビュー
- 一千万円で甲子園を買いに行くという入り口からして普通じゃない。最初こそ眉をひそめたけれど、出場から逆算して手を打っていく組み立てにすっかりハマった。逆算で甲子園に近づく筋道が面白い。
- 汗と涙で押し切るスポ根を期待して開いた自分には、勝つための算段だけで話が進む展開が新鮮でした。野球を興行として割り切る見方にここまで熱くなるとは思いませんでした。
- 登場人物がそろって腹の底が黒い。中でも保身しか頭にないダメ監督の立ち回りには笑わされた。読み終わってから、俺はテレビ中継で監督のしぐさばかり見るようになった。監督席の見え方まで変えてくるから困る。
- 設定はありえないのに、分析の中身が妙にリアルでついていけてしまう。ノックの積み重ねがどれだけ効くのか、やけに効きそうだと思わせる理屈で説明されると、野球をやったことのない自分もうなずくしかなかった。
- ごちゃごちゃ考えていた主人公が、最後は無心でバットを振る。その姿に周りが動かされ、いがみ合っていた仲間まで変わっていくのを見て、私は泣いた。一人で背負い込んだものの重さが、最後の夏に全部乗っている。
悪い感想・レビュー
- 細眉派と太眉派の対立が始まったあたりで、私は一度読むのをやめた。眉毛の太さで割れる部内抗争が長く続くのがしんどく、そんなことに気を回すより早く野球の話へ戻ってこいと何度も思った。
- 甲子園での勝ち方を組み立てていく前半が面白かった分、後半が普通の野球漫画に寄っていくのは物足りない。秋の大会あたりが山場に思えてしまい、金を元手に強くなる話をもっと見ていたかった。
- 名将の看板だけ持った監督の采配が空回りするたび、俺は本気でイライラさせられた。なんでこんなのが監督なんだと言いたくなる。足を引っ張る大人を眺め続ける時間が長く、読んでいて疲れる場面も多い。
- 決着の直後にいきなり大会後へ飛ぶ終わり方には、正直がっかりした。決勝がどうなったのかも、仲間や監督がそれをどう受け止めたのかも、張ってきた伏線の行方もほとんど分からないまま幕が下りる。
- 一千万円の使い道では、吹奏楽部への投資がいちばんもったいなく感じた。ノックだけで食べている人が現実にいるのかという引っかかりも消えず、設定の現実味のところで何度か立ち止まってしまう。
良い感想・レビュー
- 一千万円で甲子園を買いに行くという入り口からして普通じゃない。最初こそ眉をひそめたけれど、出場から逆算して手を打っていく組み立てにすっかりハマった。逆算で甲子園に近づく筋道が面白い。
- 汗と涙で押し切るスポ根を期待して開いた自分には、勝つための算段だけで話が進む展開が新鮮でした。野球を興行として割り切る見方にここまで熱くなるとは思いませんでした。
- 登場人物がそろって腹の底が黒い。中でも保身しか頭にないダメ監督の立ち回りには笑わされた。読み終わってから、俺はテレビ中継で監督のしぐさばかり見るようになった。監督席の見え方まで変えてくるから困る。
- 設定はありえないのに、分析の中身が妙にリアルでついていけてしまう。ノックの積み重ねがどれだけ効くのか、やけに効きそうだと思わせる理屈で説明されると、野球をやったことのない自分もうなずくしかなかった。
- ごちゃごちゃ考えていた主人公が、最後は無心でバットを振る。その姿に周りが動かされ、いがみ合っていた仲間まで変わっていくのを見て、私は泣いた。一人で背負い込んだものの重さが、最後の夏に全部乗っている。
悪い感想・レビュー
- 細眉派と太眉派の対立が始まったあたりで、私は一度読むのをやめた。眉毛の太さで割れる部内抗争が長く続くのがしんどく、そんなことに気を回すより早く野球の話へ戻ってこいと何度も思った。
- 甲子園での勝ち方を組み立てていく前半が面白かった分、後半が普通の野球漫画に寄っていくのは物足りない。秋の大会あたりが山場に思えてしまい、金を元手に強くなる話をもっと見ていたかった。
- 名将の看板だけ持った監督の采配が空回りするたび、俺は本気でイライラさせられた。なんでこんなのが監督なんだと言いたくなる。足を引っ張る大人を眺め続ける時間が長く、読んでいて疲れる場面も多い。
- 決着の直後にいきなり大会後へ飛ぶ終わり方には、正直がっかりした。決勝がどうなったのかも、仲間や監督がそれをどう受け止めたのかも、張ってきた伏線の行方もほとんど分からないまま幕が下りる。
- 一千万円の使い道では、吹奏楽部への投資がいちばんもったいなく感じた。ノックだけで食べている人が現実にいるのかという引っかかりも消えず、設定の現実味のところで何度か立ち止まってしまう。
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