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最終更新日:

沈黙の艦隊 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

沈黙の艦隊

沈黙の艦隊

完結
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著者: かわぐちかいじ

連載: モーニング

ジャンル: 青年漫画ミリタリー戦争サスペンス

評価: 8.8/10

あらすじ

千葉の沖合で潜水艦が沈み、乗組員七十六名が死んだと報じられた。だがそれは仕組まれた嘘。彼らは日米が極秘に造り上げた原潜の乗員に選ばれていた。試験航海の最中、艦長の海江田は全乗員を率いて逃げ出す。艦を独立国家「やまと」と名乗り、核を積んでいるかもしれないと世界へ突きつけた。米ソの艦隊が総力で沈めにかかり、氷の海でも大西洋でも何十隻もの敵が待ち構える。それでも海江田の操艦は、そのどれもをすり抜けていく。海の底での静かな読み合いと、陸の上で交わされる各国首脳の駆け引き。たった一隻がなぜ世界を揺さぶれるのか。核も戦争もない世界へ、一人の男が投げた問い!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 海の底での息詰まる読み合いと、陸の上の政治劇が地続きでつながる物語を求めている人
  • 核をなくせるのか、国とは何かという問いを、娯楽として楽しみながら自分の頭で考えたい
  • 一人の男の判断に世界中が振り回される、大風呂敷を広げきった長編を腰を据えて読みたい人

向いていない人

  • 女性の登場人物がほぼ出てこない話づくりが気になり、男ばかりの物語では乗り切れない
  • 一隻が大国の艦隊を退け続ける展開を、現実味のない無双として冷めた目で見てしまう人
  • 古い劇画調の絵で似た顔つきの男たちが並ぶので、誰が誰だか見分けのつかない読書を避けたい人

良い感想・レビュー

  • 冷戦のころの話なのに、核におびえる今のほうが刺さってきた。無敵だった艦が初めて追い詰められる潜水艦戦は、読みながら体が固くなるくらい熱い。安全保障をまるごと思考実験にしてしまう読み応えがある。
  • 海の中の一手が、そのまま陸の政治を動かす。軍事と政治が地続きの造りに引き込まれた。絵の迫力もすごくて、小遣いが尽きるまで買い続けてしまった。出てくる男たちが全員濃い。
  • 子どものころに読んで以来ずっと好きだ。潜水艦がここまで動き回るとは思わなかったし、艦同士の探り合いは今もどきどきする。戦いだけでなく、今の日本に足りないものまで見えてくる。女の私でもぐいぐい読める。
  • 艦長という男がとにかく引きの強い人物です。信頼も憎しみも恐れも、彼に向けられるとどれも納得できてしまいます。ずっと敵だった大統領が最後に不十分なままの握手を差し出す場面には、胸を打たれました。
  • 前半は海の中の撃ち合い、後半は議場での思惑のぶつかり合いへ移っていく。それでも勢いが落ちない。核をなくす、世界政府をつくるという大まじめな理想論に触れて、なぜ人は戦うのかと考え込んでしまった。

悪い感想・レビュー

  • 読んでいて気になったのは、女性がまるで出てこないところ。議員にも報道の側にも一人もいない。昔の作品だと割り切ればそれまでだが、さすがに世界の作りとして不自然に映る。
  • 一隻で米軍をきりきり舞いさせる展開は、途中からハッタリ上等の無双に見えてくる。派手さは認めるが、読み終えると腹いっぱいで、しばらく艦の話はいいやという気分になる。
  • 序盤の艦長は、かっこいいというより得体の知れない不気味さが先に立つ。感情だけで噛みつく者や、彼を利用しようとする者が並ぶ。敵側に回る人物がいまひとつ立っていないのは惜しい。
  • 制服姿の男たちが並ぶと誰が誰だか見分けがつかない。慣れるまではページを戻して確かめてばかりだった。それでも先が気になって最後まで付き合ったので、致命傷ではない。
  • 時代のせいもあるのか、さすがにそれは無理だろうと引っかかる場面がいくつかある。核をなくす、世界政府をつくるという話も、今の世界を見ていると理想が遠すぎて素直に乗れなかった。

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