レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
プレイボール の感想と評価(良いところ、悪いところ)
プレイボール
完結著者: ちばあきお
連載: 週刊少年ジャンプ
評価: 8.8/10
あらすじ
中学の野球部を全国優勝に導いた谷口タカオ。けれど決勝で折った右手の指は元に戻らず、ボールを投げられないまま高校生になる。さそわれて入ったサッカー部で汗を流しながらも、グラウンドから響く打球の音に足が止まってしまう。ようやくたどり着いた野球部は、何年も初戦負けを続ける弱小チームだった。遊び半分の部員に囲まれ、動かない指をかばいながら、それでも誰よりも走り、誰よりもバットを振る。その背中を見ているうちに、ひとり、またひとりと目の色が変わっていく。魔球も天才もいない。あるのは泥だらけの反復と、勝つための知恵だけ。負けても前を向きつづける球児たちの、まっすぐな青春!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 魔球も天才も出てこない、地道な反復練習だけで少しずつ強くなる高校野球の物語を読みたい人
- やる気のない集団がひとりの本気に引っ張られて変わる、ゆっくり積み上がるチームの熱を味わいたい人
- 派手な演出よりも、生身の人間がそのまま動いているような手ざわりのある描き方を好む人
向いていない人
- 物語がきれいに決着するまで見届けたい人、結末が示されないまま終わる読み心地が苦手な人
- 主人公が部員をまとめる苦労が続くため、まとめ役の重荷ばかりが積もる展開に疲れてしまう人
- 怪我を放置する導入など、今の感覚では引っかかる古さの残る描写が気になってしまう人
良い感想・レビュー
- 野球への未練を捨てきれない姿を先輩が見抜き、サッカー部から送り出してくれる場面に泣かされました。審判を務める後姿がまるで涙を流しているようで、諦めた夢が体からあふれてしまう瞬間として忘れられません。
- 強敵にあと一歩まで迫って散る、そんな都合のいい負け方をさせない作品です。大差で終わった試合なのに、出せるものを全部出し切った手応えだけが残る描き方で、妙にすがすがしい気持ちになりました。
- 有望な後輩の加入で上級生に火がつき、強豪相手に粘れたことで自信も芽生える。捕手と二人で浮つかないよう締め、格下が相手でも偵察は欠かさない。勝ちに近づく歯車が噛み合っていく感じがたまらない。
- とがった主役も魔球もなく、それでも読み飽きない。弱い相手を都合よく用意しないから、生身の人間がそのまま紙の上で動いているような手ざわりがある。甲子園に届かない結末にも自分は納得できた。
- 遊び半分の部員たちと衝突しながら、一人でチームを勝たせようと動き続ける主人公。その背中に引っ張られてやる気のなかった仲間が一人ずつ本気になっていくところが面白く、読みながら前のめりになります。
悪い感想・レビュー
- 弱かったチームがようやく戦える顔ぶれになって、さあここからという段階で物語が途切れてしまう。いちばん見たかった先の景色が永遠に来ないとわかっているぶん、読み進めるほど寂しさが増しました。
- 練習メニューを考え、反発する部員を説得し、全員を同じ方向へ向かせる。中間管理職のような苦労が続き、主人公ひとりに負担が集まりすぎる構図に疲れてしまう。熱さがなければ読むのをやめていたかもしれない。
- どんな強敵にも食い下がってきたチームが、格上に手も足も出ないまま終わる試合があります。粘りを見てきただけに、積み上げた努力が実力差の前で通じない現実を突きつけられ、しばらく肩を落としてしまいました。
- 骨折を病院にも行かず放置する導入は、今の感覚だとどうしても引っかかる。守備の見せ場になるプレーももう少し細かく描いてほしかったし、物語にほとんど絡まない女子キャラの扱いにも首をかしげたくなる。
- 一試合をじっくり描くぶん話が間延びしがちで、決着まで付き合うのに根気が要ります。中学時代の仲間が次々と同じ高校へ集まってくる流れも、苦労して集めるはずの戦力があっさり揃ってしまうようで拍子抜けします。
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