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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

マトリズム の感想と評価(良いところ、悪いところ)

マトリズム

マトリズム

完結
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著者: 鈴木マサカズ

連載: 週刊漫画ゴラク

ジャンル: 青年漫画裏社会・アングラクライムサスペンス

評価: 7.6/10

あらすじ

厚生労働省の麻薬取締部、通称マトリ。拳銃の携行も許された取締官の草壁圭五郎と冴貴健一は、二匹の猟犬と呼ばれながら薬物の売り買いを追っていた。ネットで仕入れた大麻を学内でさばく私大生、育児のしんどさから錠剤に手を伸ばす主婦、ひとりの時間に押しつぶされたフリーター、重圧に耐えきれなくなった高校教師。みんなほんの出来心のつもりで、二度と戻れない場所へ足を踏み入れてしまう。どんでん返しも種明かしもなく、捜査の現場はどこまでも淡々と進む。だからこそ薬の怖さがじわりと足元まで這い上がってくる。草壁には、妹を薬漬けにされて失った過去があった。長い憎しみの果てに待っていたのは、驚くほど乾いた現実!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • どんでん返しや派手な演出よりも、現実の手ざわりに近い淡々とした語り口を好んで読む人
  • 薬物の話を遠い世界のことにせず、普通の人がどこで道を踏み外すのかを知っておきたい人
  • セリフより表情で語る絵が好きで、視線や目つきから心の内を読み取る時間を楽しめる人

向いていない人

  • 長い因縁の決着に胸のすくような大きな山場を求めていて、静かな結末だと物足りなくなる人
  • 重い題材に気持ちを引きずられやすく、後味の沈む話を続けて読むと日常にまで響いてしまう人
  • 一冊ごとに話がきれいに収まってほしくて、エピソードが次の巻にまたがる区切り方が気になる人

良い感想・レビュー

  • 立ち直ろうと自助会に足を運んだ先で売人に声をかけられる回が、いちばんしんどかった。やり直そうとする人の足首をつかむ手が、そこら中に伸びているという描き方に、他人事でない怖さがある。
  • 絵柄もキャラも地味で、大きなどんでん返しもない。それでも引き込まれた。普通の人が普通の顔のまま犯罪者になっていく手つきが淡々としているぶん、かえって生々しく響いてくる。
  • 作者が描く目の表現に見入ってしまいました。派手な動きをつけないぶん、視線ひとつで人物が抱えているものが伝わってきます。写実に寄せた絵だからこその重さがありました。
  • 騒がしい見せ場をつくらず、静かな描き方で薬の恐ろしさを積み上げてくるのが刺さった。使う側の人間に目を向けた作品はあまりないと思うので、この角度から描いてくれたのがうれしい。
  • 薬に手を出す場面に、決意や勇気がほとんど描かれない。そこにあったから、つい手が伸びたという流ればかりで、日常の景色が消えないまま話が進むところが薄ら寒い。

悪い感想・レビュー

  • 長年追い続けた売人をついに捕まえる場面が、あっさり流れていったのは物足りなかった。物語の山場まで淡々と描き切ってしまう姿勢は誠実だが、漫画としてはもう少し熱がほしかった。
  • 主人公の妹に何があったのかを知りたくて読み進めたぶん、終わり方には肩透かしを食らった。引っ張ってきた因縁の答えがあっけないので、そこ目当てで手に取る人にはすすめにくい。
  • 読んでいるうちに気分が引きずられて沈んだ。真面目に働いていた人が崩れていく回はきつくて、転落の道すじを丁寧に見せられるぶん胸が痛む。一日一話くらいがちょうどいい重さだった。
  • 相棒の過去も気になっていたのに、はっきりしないまま終わってしまいました。掘り下げてほしい人物の背景がぼかされたままなので、読みやすさの裏で物足りなさが残ります。
  • 一冊の最後の話が次の巻へ続く作りには、毎回もやもやします。話の切れ目と巻の切れ目がずれているせいで読後感がすっきりしません。面白いだけに、きりよく終わらせてほしいと毎回思います。

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