レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
エースをねらえ! の感想と評価(良いところ、悪いところ)
エースをねらえ!
完結著者: 山本鈴美香
連載: 週刊マーガレット
評価: 8.3/10
あらすじ
お蝶夫人に憧れてテニス部に入った岡ひろみは、ボールもまともに打てない初心者。ところが新しく来たコーチ宗方仁が、なぜか彼女を選手に抜擢する。先輩たちのねたみ、容赦のない練習、思うように勝てない日々。それでも宗方の厳しさの奥にある深い思いを信じ、ひろみは一球ごとに力をつけていく。気高くひろみを見守るお蝶夫人、そっと背中を押してくれる藤堂の存在も、彼女を前へ進ませる支えになる。やがて訪れる大きな試練が、ひろみの心を根底から揺さぶる。けれど周りの人たちの思いを受け止め、もう一度ラケットを握る姿に胸が熱くなる。テニスと恋、そして師弟の絆をまっすぐに描いた、世界を目指す少女の熱いスポ根ドラマ!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 魔球に頼らず根性だけで強くなっていくスポ根を、師弟の物語としてじっくり味わいたい人
- 厳しい指導の奥にある師から弟子への深い愛情に触れて、思いきり泣ける物語を読みたい人
- くじけそうな日にそっと背中を押してくれる胸に残る名台詞を、作品の中から見つけたい人
向いていない人
- 昔ながらの少女漫画の絵柄がどうしても肌に合わず、すっきりした今風の絵で読み進めたい人
- しごきに近い昔ながらの指導が出てくると、時代の違いとして割り切れずに引っかかってしまう人
- 年相応の等身大の高校生が出てくる話が好きで、大人びすぎて現実離れした人物像には入りこめない人
良い感想・レビュー
- スポ根ものなのに必殺技のような魔球はひとつも出てこず、根性と練習だけで少しずつ強くなっていくところがいい。高校から始めた初心者が山あり谷ありで伸びていくので目が離せない。
- コーチの厳しさの裏にある大きすぎるほどの愛情に泣けます。しごきに近い指導に必死で食らいつく主人公と、彼女を導くコーチとの師弟関係は、何十年たっても色あせないと思います。
- 大人になって読み返すと、お蝶夫人の存在が胸に刺さる。好きな人もテニスも後輩にあっという間に抜かれながら、それでも相手を飛び立たせようとする気高さに涙が出た。
- 「ここまでだと思ったとき、もう一歩ねばれ!」など、心に残る名台詞が多い。頑張りたいのについサボってしまうとき、作中の言葉を思い出して、失敗してもいいからとりあえず頑張ろうとやる気をもらえる。
- 前半はスポ根の王道ですが、師を失った弟子とそれを支える人たちに話が移ってからがすごいです。テニス漫画の枠を越えて、人としての主人公の成長がよくわかり、涙なしでは読めません。
悪い感想・レビュー
- 今読むと絵柄がかなり古くさく見える。昔の絵が好きになれず、ずっと敬遠していた。読んでみれば話はいいのに、絵が合うかどうかで手に取るかが分かれてしまうのは惜しい。
- 古い作品なので、今のスポーツ理論にはそぐわない練習やしごきがちらほら出てきます。ウサギ跳びのように今では禁止されている練習もあり、そこは時代の違いとして割り切って読む必要があります。
- 高校生たちがとても十代とは思えないほど大人びている。子どものころは憧れで気にならなかったが、大人になって読み返すと、あんな人格者の高校生がいるものかとつい笑ってしまう。
- コーチが亡くなってからは、スポーツものというより哲学的な色合いが濃くなっていく。コーチが生きていたころの前半のほうが好きだったので、後半の雰囲気の変化は好みが分かれそうだ。
- 初心者なのにいきなり選手に抜擢される展開には、少し無理を感じる。子どものころから英才教育を受けても世界に届く人はわずかなのに、高校から始めてここまで伸びるのは、普通ならありえないだろう。
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