レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
王家の紋章 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
王家の紋章
著者: 細川智栄子あんど芙~みん
連載: 月刊プリンセス
評価: 8.8/10
あらすじ
考古学に夢中な16歳の富豪令嬢キャロル。三千年前に若くして死んだ王の墓が暴かれたその日、呪いの手に引かれ、彼女は古代エジプトへと落ちていく。金色の髪と未来の知恵を持つ娘は「ナイルの娘」とあがめられ、冷たく傲慢な若きファラオ・メンフィスの心をとらえていく。けれど王妃となった彼女を、ヒッタイトのイズミル王子をはじめ近くの国々の王たちが次々と奪いにかかる。弟への執着を捨てられない女王アイシスのたくらみも止まらない。さらわれ、傷つき、現代と古代の間で引き裂かれても、キャロルは知恵を武器に生き抜こうとする。王族、戦、陰謀、恋がすべて絡み合う、半世紀近く書き継がれてきた古代オリエントの大河ロマン!
読む前に確認したい相性
向いている人
- いろんな古代の王国が出てきて、王族や戦、陰謀が絡み合う歴史にも興味がわく恋物語に浸りたい人
- 主人公をめぐって有能な王子や王たちが本気で奪い合う、少女漫画の王道の展開が好きな人
- 主役の二人だけでなく、忠実な従者や家臣、敵役まで個性の強い群像劇をじっくり楽しみたい人
向いていない人
- さらわれては救われる流れが毎回くり返されるので、話がテンポよく先へ進む展開を求める人
- 半世紀近く続く連載で大きな謎も残ったままなので、結末まで読み切れる完結済みの物語を選びたい人
- 古代の王らしくヒーローがかっとなって手を上げる場面もあり、恋人にまで向く乱暴なふるまいが苦手な人
良い感想・レビュー
- キャロルのためなら突拍子もない判断もするイズミル王子を、従者のルカは無茶な指示ごと受け止めて支え続けます。言葉の裏の本心まで汲んで動く主君を愚直に信じる脇役が、たまらなく好きです。
- 周りの国々が描かれるアッシリア編から、ぐっと面白くなった。イズミル王子がいい男すぎて敵になりきれない分、見るからに卑劣なアルゴン王が出てくると国ごとに違う敵役の顔ぶれがはっきりする。
- 出発前に、じゃれ合うキャロルとメンフィスが面白くてかわいいです。二人とも死にかけるほどの重体だったのに、回復力がすごいですね。出会ったとたんキャロルに惹かれる心のまっすぐな少年王まで現れます。
- さらわれたキャロルをメンフィスが探しに行く話が多いけれど、多くの古代の王国や民族が出てくるので歴史の勉強にもなる恋物語なんですよね。絵が大人っぽくつややかになっていき、衣装まで着てみたくなります。
- 序盤から、エジプトの主な顔ぶれがほぼそろっているんです。将軍や女官長、宰相に加え、忠実なウナスもいて、王宮を支える家臣たちの厚みに引き込まれます。敵役のアイシスや大神官も忘れられません。
悪い感想・レビュー
- さらわれる、救い出される、つかの間いちゃつく、現代へ飛ばされて記憶が消える。この同じ流れのくり返しが延々続き、嘆くのも喜ぶのも何度も同じ調子なので、さすがに笑ってしまった。
- 恋敵たちは誰も諦めないまま、偽の義弟の正体もばれません。幸せ、拉致、救出のパターンをひたすら繰り返すので話が前に進まないもどかしさが募り、そろそろキャロルに妊娠くらいの変化がほしいです。
- 現代に戻った場面は、読んでいていらいらしっぱなしだった。大金持ちの家なのにキャロルの妊娠を隠せず、勝手に婚約者気取りの男を母親まで許してしまう。早く古代へ戻ってほしくなる現代編だ。
- 逆らうキャロルにメンフィスがかっとなり、勢い余って腕を折る場面にはあぜんとしました。人を殺めることへのためらいがない古代の王と現代育ちの少女とでは、命の重さの感覚がまるで違うことを突きつけられます。
- 兄のライアンがメンフィスにそっくりな謎は、いつになったら明かされるのでしょう。電子版で読むと絵の粗さが目につき、目の化粧がなければ男性キャラの見分けがつかないのもつらいところです。
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