レビュー著者: 漫画よしあし
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それでも僕らはヤってない の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 大人の恋愛特有のもどかしさと切なさがリアルに描かれていて、一気に世界観に引き込まれました。セックスをしないという不自然なルールが、逆にお互いの感情を浮き彫りにしていく過程が秀逸です。
- 村山渉先生の描くキャラクターの表情や仕草が非常に繊細で、言葉にならない複雑な心情がひしひしと伝わってきます。静かな夜に一人でじっくりと読みたくなるような、非常に雰囲気のある作品です。
- ただのラブコメではなく、30代前後のリアルな悩みや焦燥感が反映されていて、同世代の私としては共感しかありません。不器用だけど必死に生きる二人の姿が、たまらなく愛おしく感じられます。
- 近すぎて遠い二人の距離感に、読んでいてずっと胸が締め付けられるような心地よい痛みがありました。少しずつ過去のわだかまりを溶かしていく描写が丁寧で、大人のための純愛物語だと思います。
- 派手な展開はないけれど、心の機微を丁寧に掬い取るようなストーリー展開が本当に素晴らしいです。最終的な二人の決断がどうなるのか、一コマ一コマを大切に読み進めたくなる珠玉の名作です。
悪い所
- 設定があまりにも非現実的というか、「そんなルール守れるわけがない」という冷めた視点で見てしまう瞬間がありました。もどかしさを演出するための無理な設定に、最後まで馴染めませんでした。
- 物語のテンポが非常に緩やかで、なかなか進展しない二人の関係に途中で飽きてしまいました。もう少し大きな出来事や変化が欲しかったのですが、淡々としすぎていて退屈に感じてしまう時期があります。
- 主人公の優柔不断な態度や、過去に囚われすぎている姿にイライラしてしまうことが多々ありました。もっと潔く決断して前へ進んでほしいと、読んでいてストレスを感じることが多かったです。
- 大人の孤独をテーマにしているせいか、全体的に雰囲気が暗くて陰鬱としているのが気になりました。もっと明るい希望や救いのある展開を期待していましたが、最後まで少し重苦しかったです。
- 二人のやり取りが理屈っぽくて、感情で動いているのか理屈で動いているのかよく分からなくなることがありました。もっと本能のままにぶつかり合うような、熱量の高い恋愛描写も見たかったです。





