レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
最果てのパラディン の感想と評価(良いところ、悪いところ)
最果てのパラディン
連載: コミックガルド(コミックガルド+)
評価: 9.2/10
あらすじ
前世をむだに過ごし、悔やんだまま死んだ男が、異世界で赤ん坊として生まれ直す。拾い上げたのは、人の絶えた死者の街に住む骸骨の剣士、ミイラの神官、幽霊の魔術師という三人の不死者だった。ウィルと名付けられた赤ん坊は、厳しくもあたたかい三人から剣と祈りと魔法を学び、少しずつ大きくなっていく。やがて迎えた15歳の冬至の日、育ての親たちが隠してきた過去と、自分がこの街へ連れてこられた本当の理由が明かされる。チートもハーレムもない。あるのは、生きるとは何かを問いかける言葉と、血のつながりを越えた家族の情だけ。親たちの思いを背に、少年は人の住む世界へ踏み出していく。死者に育てられた少年が聖騎士への道を歩む、骨太な冒険の物語!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- チートやハーレムに頼らない、努力と仲間で道を切りひらく正統派ファンタジーを読みたい人
- 骸骨やミイラなど人ではない育ての親との、血のつながりを越えた親子の絆に泣かされたい人
- 『指輪物語』などを好む、神話や宗教観まで作りこまれた本格ハイファンタジーに浸りたい人
向いていない人
- 物語をじっくり積み上げる導入より、序盤からどんどん話が動く軽快な展開を楽しみたい人
- チート能力で爽快に無双する転生ものや、恋愛やハーレムの要素を目当てに気軽に読みたい人
- 会話や心の動きをていねいに描く作風より、戦闘シーン中心のスピード感を何より重視する人
良い感想・レビュー
- 異世界転生もので、ここまで善良な主人公は初めてです。エルフにもドワーフにも敬意を払い、敵にすら憎まれない根っからの人たらし。ハーレムなしの男所帯の仲間でも、ちゃんと面白いんですよね。
- 本気で叱る母マリー、目線を合わせる父ブラッド、最後まで正しい道を選んだ祖父ガス。アンデッドで血のつながりもないのに、親という存在の大きさはこんなにも伝わるのかと驚く。序盤なのに涙腺はもたなかった。
- 宗教観や種族ごとの価値観まで、ほかの転生ものよりずっと練られています。とくに「生きていること」と「死んでいない」は違う、というくだりは、自分の毎日を問い直すきっかけになる言葉でした。
- 素手で飛竜を倒せるほど強いのに、隣に立つ人がいないと落ちこむ主人公が愛おしい。力におごらず、自分の弱さも認めて人に寄り添う。英雄と呼ぶには謙虚すぎる青年の旅を、ずっと見守っていたい。
- イデア論のような哲学が神話に溶けこみ、土台がとにかく固い作品です。主人公の前世をあえて引きずらないところに好感が持て、骨太なバトルと冒険も存分に楽しめます。
悪い感想・レビュー
- 話がなかなか進まず変化もとぼしいので、同じ場所で足ぶみしている感覚に飽きる時期がありました。ただ、神話のような語り口には引き込まれ、つい読み進めてしまいます。
- アニメで観たときも、ウィルが旅立つまでの流れが重くて苦手だった。コミックでもそこは変わらない。もう少しテンポよく進めてほしい、というのが本音だ。旅立つまでは我慢、我慢。
- 主人公の頭身が年齢と合っていないのが気になります。青年だと思って読んでいたら7歳と言われ、そこから話に集中できなくなりました。コマによって頭身がばらばらに見える作画も気になる点です。
- チートのない英雄の物語として丁寧なのはわかる。でも地味だ。敵の邪竜まで戦いの最中によくしゃべるので、言葉が通じる相手と戦う意味がぼやけてしまう。もう痛み分けでよくない?と言いたくなる。
- 師匠役の三人は味があるし、神さまがきちんと絶対的な存在として描かれているところも好きです。だからこそ、転生という前世の設定はなくても成り立つ気がして、そこだけが余計に見えます。










