レビュー著者: 漫画よしあし
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セシルの女王 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 全巻を通してセシルの成長が段階的に積み上がり、少年期の理想と宮廷の現実が衝突する流れに強く引き込まれた。
- 史実の事件を下敷きにしながら人物の感情を丁寧に描くので、年表を追う読み味ではなく物語として深く没入できた。
- 王家と廷臣の距離感、信仰と権力のせめぎ合いが台詞と表情で伝わり、重い題材でも場面ごとの緊張感が途切れない。
- 敵味方を単純化せず各人物の事情を描くため、誰の判断にも痛みと必然があり、読み終えた後の余韻が毎巻で濃い。
- 作画が華やかさと陰影を両立しており、宮廷衣装の美しさと権力闘争の不穏さが同じ画面で成立しているのが見事。
悪い所
- 政治背景や宗教対立の説明が必要な場面は情報量が多く、歴史に不慣れな読者だと序盤の理解に時間がかかりやすい。
- 人物の心理を掘る回では意図的にテンポを落とすため、展開の速さを重視して読むと停滞感を覚える巻もあった。
- 史実に沿う制約があるぶん急転直下の爽快な逆転は少なく、読後に重さが残る展開が続く点は好みが分かれる。
- 主要人物の視点が中心で周辺人物の掘り下げが薄い回もあり、群像劇としての広がりを期待すると物足りなさが出る。
- 巻ごとの満足度は高い一方で長期的な伏線回収はじっくり進むため、短期間で一気読みすると焦れったさを感じた。
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