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最終更新日:

セシルの女王 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

セシルの女王

著者: こざき亜衣

連載: ビッグコミックオリジナル

ジャンル: 青年漫画ヒューマンドラマ政治劇歴史

評価: 8.6/10

あらすじ

セシルの女王は、12歳のウィリアム・セシルが暴君ヘンリー8世の宮廷に足を踏み入れ、波乱に満ちた宮廷政治の中でエリザベスを女王へ導く誓いを立てるところから幕を開ける。処刑台にかけられた王妃アン・ブーリン、繰り返される王位継承の危機、宗教と陰謀が入り乱れる権力の渦──。史実の事件を軸としながら、生き延びるためにもがく人々の感情を丁寧に掘り下げ、重厚なドラマを作り上げる。監修コラムが歴史理解を深め、歴史初心者もこの時代の空気に浸れる。絵の美しさと陰影が宮廷の華やかさと残酷さを同時に表現し、セシルとエリザベスの絆がページをめくる原動力となる。今まさに読むべき歴史大河ロマン!

良い所

  • 史実とフィクションを組み合わせながらイングランドの文化を細部まで丁寧に描いていて、読むたびによく作られていると唸ります。単行本の監修コラムまで大好きで、続刊が毎回楽しみです!
  • 宮廷の女性たちが意地・執念・憎悪を全力でぶつけ合う様を読みながら、こんな時代が実際にあったと思うと胸が苦しくなりました。理不尽にとばっちりを受ける人々がいちいち気の毒で、感情移入しっぱなしです。
  • ここまでヘンリー8世を野獣的な暴君として描いた漫画は初めてで、すごくしっくりきました。こんな社会に女として生まれたら夢も希望もないと感じながら、絶望の王宮の中で待つ王妃たちに心を揺さぶられます。
  • アン・ブーリンが悪女ではなく強くて美しい人物として描かれているのが新鮮で、史実で結末を知っているはずなのにこの漫画ならではの解釈が知りたくてどんどん読んでしまいました。それが本当に素晴らしい。
  • 世界史で一番好きなエリザベス一世を支えるセシルが主人公と知ったら読まずにはいられませんでした。アン・ブーリンとのシーンが特に胸に刺さって、このセシルがこれからどう生きるかを追い続けるつもりです。

悪い所

  • キャラクターがどうしても日本人が扮装しているように見えてしまってなかなか没入できませんでした。イギリス人らしく描ける作家さんはそもそも少ないと思うのですが、この作品では特に顕著で気になりました。
  • 「ベルばら」のフランス革命よりさらにマイナーなテューダー朝が舞台なので、序盤の人物関係と宗教対立を把握するのが少し大変でした。前知識を持って読んだ方が最初から楽しめる作品だと思います。
  • 前作「黒薔薇」のファンなので、あの女の子が本作では子供の役割で登場するギャップがなかなか受け入れられず、しばらく引っかかりながら読みました。この縛りがない方には全く関係ない話なのですが。
  • 前作がとても好きだったので手に取りましたが、まったく想定外の設定でかなり戸惑いました。あとがきにも作者さんの「こんなはずじゃなかった」という言葉があって、楽しんでよいのか正直まだ判断できていません。
  • 宮廷ドラマとして面白いんですが、読み進めるほど「王族にも貴族にもなりたくない」という気持ちが強くなってしまいます。富も権力もあっても誰も幸せそうに見えなくて、読んでいて少し疲れました。

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