レビュー著者: 漫画よしあし
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エロスの種子 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
エロスの種子
著者: もんでんあきこ
連載: グランドジャンプめちゃ/グランドジャンプPREMIUM
評価: 8.7/10
あらすじ
理屈や理性では計れない、人間のみに宿る“性”の源泉である「エロス」をテーマにしたオムニバス短編集。夫に抱かれない妻、男に抱かれるためだけに生きる女、ストリップ劇場で踊る女など、さまざまな時代や境遇で運命に翻弄されながら生きる男女の複雑な愛憎劇を描き出す。人間のどうしようもない業や欲望、ドロドロとした愛執を容赦なく抉り出しながらも、その奥底にある純粋な愛や切なさを、圧倒的な画力と上品な色気で美しく紡いでいる。単なる官能漫画の枠を超え、まるで純文学や映画のように読者の心を激しく揺さぶる、鬼才・もんでんあきこが放つ至高のヒューマンドラマ。
良い所
- 絵が圧倒的に美しく、女性の体がとても上品で艶やかに描かれています。単なるエロ漫画ではなく、人間の業や深い愛情が丁寧に描かれた文学的な作品で、まるで一本の映画を観ているような読後感でした。
- オムニバス形式でどの話も引き込まれますが、特に「マリーゴールド」の切なさに涙が止まりませんでした。どうしようもない欲望や愛憎の果てにある悲しい結末に、心が大きく揺さぶられます。
- 昭和を感じさせるレトロな時代背景と、泥臭くも純粋な男女のドラマが見事にマッチしています。人間のドロドロした部分を描きながらも、なぜか美しさを感じてしまう作者の表現力に脱帽しました。
- バナー広告で気になって読み始めましたが、予想以上にストーリーが重厚で驚きました。性的な描写もいやらしくなく、登場人物たちの切実な思いに触れて何度も胸が締め付けられます。素晴らしい名作です。
- 女性の私でも抵抗なく読める、むしろ同性から見ても惚れ惚れするような色気がありました。登場する女性たちが過酷な運命の中で逞しく生き抜く姿に、切なさと同時に強い生命力を感じて感動します。
悪い所
- エロティックな描写以上に人間関係がドロドロしていて、読んでいて精神的にかなり疲れました。NTRや狂気的な愛など、共感しづらい重いテーマが多いので、軽く楽しみたい人には絶対におすすめできません。
- 全体的に救いのない悲しい結末や鬱展開が多くて、読後にどんよりとした気分になってしまいました。もう少し希望のある結末や、心が温まるような明るいエピソードも読んでみたかったです。
- 時代設定が昭和の古い価値観に基づいている話が多く、現代の感覚からすると理不尽に感じる展開が多々ありました。女性が男性に振り回されるような描写に、少しイライラしてしまう瞬間があります。
- オムニバス形式なので仕方ないのですが、巻数が進むにつれて似たような愛憎劇のパターンが繰り返されているように感じました。少し展開がマンネリ化してしまい、途中で飽きて読むのをやめました。
- 登場人物の欲や業が深すぎて、時には気持ち悪いとすら感じてしまうエピソードがありました。エロスの表現が過激というより、人間の汚い部分を見せつけられるようで、私には合わない作品でした。
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