レビュー著者: 漫画よしあし
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二階堂地獄ゴルフ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 福本先生らしい、人間の内面を抉り出すような心理描写と演出がゴルフという競技に見事にハマっています。二階堂の必死すぎる姿に、自分自身の人生の焦りと重なる部分があって強烈に惹き込まれました。
- 一打一打の重みが凄まじく、「ここで外せば終わり」という極限の緊張感がたまりません。スポーツ漫画というよりは、命を賭けたギャンブルのようなスリルがあり、ページをめくる手が止まりません。
- 二階堂のダメ人間っぷりがリアルで、だからこそ彼がたまに見せる本気の輝きに、思わず全力で応援したくなります。負け犬が這い上がろうとする泥臭い姿に、何度も勇気をもらえる熱い作品です。
- 独特の擬音やコマ割りが、ゴルフボールの飛跡やプレイヤーの焦燥感を完璧に表現していて、読んでいて非常に心地よいです。福本節が全開で、ゴルフを知らなくても十分に楽しめる圧倒的なパワーがあります。
- 欲望に忠実な登場人物たちの醜さと、その裏にある切実さが丁寧に描かれています。「地獄」というタイトルに偽りなしの過酷な展開が続きますが、その先にある微かな希望を見届けたくなる傑作です。
悪い所
- ストーリーのテンポが非常に緩やかで、一打に何話もかけるような引き延ばし感に少しイライラしてしまいました。福本作品の味ではありますが、もう少しスピーディーに物語を進めてほしいのが本音です。
- 主人公の二階堂があまりにも情けなくて、読んでいてストレスを感じてしまうことが多々ありました。彼に救いがない展開が続くため、心が折れそうになり、途中で読み進めるのがしんどくなりました。
- ゴルフの技術的な描写よりも心理戦に重きを置いているため、純粋なスポーツ漫画としての面白さを期待している人には物足りないかもしれません。かなり好みが分かれる、アクの強い作風だと思います。
- 福本先生特有の絵柄が、最近さらに個性が強まりすぎていて馴染めない瞬間がありました。キャラクターの顔がみんな同じに見えてしまい、個々の判別がつきにくい場面があったのが少し残念です。
- 話の起伏が少なめで、ずっと重苦しい雰囲気が続くため、気分が良い時に読むと一気にテンションが下がってしまいます。もっとスカッとするようなカタルシスが、もう少し早い段階で欲しかったです。





