レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

荒川アンダーザブリッジ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

荒川アンダーザブリッジ

荒川アンダーザブリッジ

著者: 中村光

連載: ヤングガンガン

ジャンル: ギャグラブコメ

評価: 8.3/10

あらすじ

大財閥の御曹司・市ノ宮行は「他人に借りを作るべからず」という家訓を守って生きてきたが、荒川河川敷で溺れかけ、自称金星人の謎めいた少女・ニノに命を救われる。恩返しとして求められたのは「私に恋をさせてくれ」という奇妙なお願いで、行はニノの恋人となり橋の下で暮らし始める。そこには「村長」「星」「シスター」「P子」など、常識外れの個性的な住人たちが集う独特のコミュニティが広がっていた。奇人たちとの交流を通じ、行は少しずつ自分の価値観を揺さぶられていく。笑いの中に切なさや人間の孤独を織り交ぜながら、リクとニノの不思議な恋を描くギャグ・ラブコメ。全15巻完結。

良い所

  • 自称金星人のニノを筆頭に、星・村長・シスターなど強烈な個性のキャラクターが橋の下に集結し、他に類を見ない唯一無二のギャグワールドを作り上げている。
  • ギャグの中に切ない感情や孤独がにじみ出るシーンが随所にあり、笑いながらも静かな余韻に浸れる独特の読後感が、この作品が長く愛される理由の一つだ。
  • 大財閥の御曹司という特殊な主人公の視点から橋の下の住人を描くことで、「普通」と「異常」の境界線が曖昧になっていく独特の哲学的な面白さが光る。
  • 一見バラバラに見える短編ギャグが積み重なりながら全体の大きな物語として機能する構成は緻密で、読み返すことで伏線の巧みさに気づく楽しみがある。
  • ギャグが主体でありながらラブコメとしての芯がブレず、リクとニノの関係が全15巻を通じて丁寧に積み重ねられ、最後まで読み続けられる作品に仕上がっている。

悪い所

  • 独特の電波系ギャグや不条理なボケが全編通じて続くため、そのテイストに合わない読者には序盤から大きな壁を感じさせてしまい、好みが大きく分かれる作品だ。
  • 橋の下の住人として個性的なキャラクターが次々と登場するため、初読時には全員の関係性や役割を把握するまでに相応の読み進めが必要となり、序盤はやや疲れる。
  • ギャグの流れの中に突如シリアスな展開が差し込まれることがあり、そのトーンの切り替えが唐突に感じられ、読んでいる側の雰囲気の断絶が気になる場面も多い。
  • 中盤以降、単発ギャグが増えてストーリーの方向性が見えにくくなる時期があり、全体の流れのペース配分に乱れを感じて読み進めが重く感じる巻もある。
  • ニノの素性や金星人設定など物語全体を通じて張られた伏線の多くが、最終巻においても完全には回収されず、読後感に物足りなさを覚える読者が一定数いる。

同じジャンルの漫画

荒川アンダーザブリッジの評価と感想レビュー - 良い点・悪い点を解説