レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
バーテンダー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
バーテンダー
完結連載: グランドジャンプ/スーパージャンプ
評価: 8.5/10
あらすじ
パリのコンクールで頂点に立ち、「神のグラス」と呼ばれる若きバーテンダー・佐々倉溜。帰国して銀座のカウンターに立った彼のもとには、仕事や恋、家族のことで行き詰まった人たちが今夜も訪れる。溜は客が扉を開けた瞬間から相手をよく見ていて、その人が抱えているものにそっと寄り添う一杯を差し出す。やがて彼はホテルのバーへ移り、弟子を取り、業界の重鎮とぶつかりながら腕を深めていく。酒の歴史や文学の話がさらりと混ざるのに、少しも説教くさくない。読み終えると、誰かに聞いてほしかった話がふっと軽くなる。不幸の形が百あるなら、それを癒す百のカクテルを作る。そんな覚悟がしみる一杯!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- お酒の名前や由来を、押しつけがましい解説ぬきで自然と覚えていける物語を読みたい人
- 誰かの話を黙って聞いてくれる場所に憧れがあり、しんどい夜に効く一杯の物語で肩の力を抜きたい人
- 1話完結で読みやすく、それでいて仕事に向き合う姿勢まで持ち帰れる人間ドラマを探している人
向いていない人
- 毎回の締めにきれいな教訓が置かれる作りが苦手で、説教くささを感じやすいタイプの人
- 物語が大きく動く展開を求めていて、静かな一話完結の積み重ねだけでは物足りなくなる人
- 最後まできれいに畳まれる結末を望んでいて、終わり方の余韻に納得できないとつらくなる人
良い感想・レビュー
- 読んでいるうちにカクテルの名前も由来も頭に入っていました。それでいて講釈を垂れてこない語り口なので、勉強させられている感じがまるでありません。気持ちよく酔わされた読後です。
- 客を絶対に裏切ってはいけない仕事がある、という一節が刺さりました。酒の作り方だけでなく、カウンター越しの覚悟まで描いているので、お酒に弱い私でも背筋が伸びます。
- 入店した瞬間から相手を見ている描写に唸った。もてなしの目線の細かさは仕事にもそのまま使えるし、酒の歴史の話も飽きずに読める。毎回違う客が来るのに、一度もだれない。
- 不幸の形が百あるなら、それを癒す百のカクテルを作る。そんな一節にぐっときた。落ち込んだ夜に黙って隣にいてくれる誰かの存在を、酒の向こうに見た気がする。読み終えてしばらく余韻が残った。
- 作中で何年も時間が流れるので、前に出てきた客が変わった顔で戻ってきます。そのたびに、自分の時間まで一緒に過ぎた気になります。くどさのない線で支える作画も、湿っぽくなりすぎない加減がちょうどいいです。
悪い感想・レビュー
- 完璧な腕を見せた直後に妙に未熟な顔をのぞかせる。主人公の像がぶれる感じがどうにも引っかかった。人間くさいと言えばそうだが、この作品では違和感のほうが勝ってしまう。
- 1話完結で読みやすいぶん、難しい客の望みをかなえて一件落着という型のくり返しが目につきました。画力は高いのに、人物の描き分けにもう少し華がほしかったです。
- 読み進めるうちに、主人公の語りがだんだんお説教めいて聞こえてきた。良い話なのは分かるのに、毎回きれいにまとめられると少し胃もたれする。静かに読みたい日にはしんどい。
- 女性キャラが美人ではあるけれど、物語を動かすための駒に見える場面が多かったです。全体の作りが丁寧なだけに、そこだけ人として立っていないのが惜しく感じてしまいました。
- 終盤の失速と締め方だけは、どうしても飲み込めなかった。主人公の過去も語られないまま幕が下りて、置いていかれたようなもやもやが残る。長く追ってきたぶん、その一点だけが惜しい。










