レビュー著者: 漫画よしあし
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バリスタ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- この漫画を読んだ直後は、コンビニのコーヒーじゃ我慢できなくなって専門店へ走るのがお約束。それくらい、カップに注がれるエスプレッソの濃厚な質感がリアル。本場のバール特有の「喧騒と活気」がページから溢れ出してくる。
- 客の顔色を見ただけで砂糖の量や抽出秒数を微調整する香樹のプロ意識がマジで震えるほど格好いい。技術云々以上に、一杯の飲み物で相手の絶望を希望に変えようとする、バリスタとしての「覚悟」に何度も泣かされた。
- マロッキーノやシェケラートみたいな珍しいカッフェが、その土地の歴史背景と一緒に紹介されるのが贅沢すぎる。ただの知識の押し売りじゃなく、物語と深く結びついているから、気づいたらイタリアの文化にどっぷり浸かっていた。
- 「バールは人生の句読点だ」と思わせてくれる温かい世界観が最高。日本人の自分からすると、見ず知らずの人とコーヒー一杯で繋がれるイタリアのバールの空気が羨ましくて、読み終えるたびにローマへ旅したくなる。
- コーヒーを淹れる工程の描写がとにかく丁寧。豆を挽く音やスチームのシューッという音まで聞こえてきそうな筆致に惚れ惚れする。これほど五感を刺激して、贅沢な時間を過ごさせてくれるグルメ漫画は他に思い当たらない。
悪い所
- コーヒー愛が強すぎるせいか、豆の品種や歴史の解説テキストが画面を埋め尽くす回は、正直読んでいて肩が凝る。面白い知識なんだけど、物語のテンポが完全に止まっちゃうから、もう少しサクサク読ませてほしい。
- 香樹がどんなに気難しい客の悩みもコーヒー一杯で100%解決しちゃう展開が続きすぎて、中盤からマンネリを感じた。たまにはコーヒーが何の役にも立たないような、残酷で泥臭い挫折も描いてくれないとリアリティに欠ける。
- むろなが先生の絵は綺麗なんだけど、派手な演出が少ないからか、全体的に画面が地味でおとなしい印象を受ける。最近のインパクト重視な作品に慣れていると、山場がどこか分からなくて少し退屈に感じてしまうかも。
- イタリア人のキャラたちがみんな理想的に描かれすぎていて、「現実はこんなに温かい場所ばかりじゃないだろ」と冷めた視線になってしまう瞬間があった。ドラマとして綺麗にまとまりすぎているのが、毒気を求める僕には物足りない。
- 香樹自身の過去やプライベートな内面描写が少なめで、最後まで「完璧なバリスタ」という記号的なキャラに見えてしまったのが残念。もっと彼の泥臭い人間味や、弱音を吐くようなシーンが見たかったというのが本音だ。
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