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最終更新日:

どるから の感想と評価(良いところ、悪いところ)

どるから

著者: ハナムラ石井和義

連載: WEBコミックガンマ

ジャンル: コメディアクション格闘

評価: 8.5/10

あらすじ

かつての格闘界の巨星が、女子高生に「転生」!?K-1プロデューサーとして一世を風靡した石井館長(実名・原案)が、不慮の事故(?)により、借金まみれの女子高生・一ノ瀬けいの中に転生。かつての知識と人脈、そして絶対的な格闘理論を武器に、最強の空手家を目指して再び格闘界へと挑む異色の格闘転生コメディ。実在の人物が美少女キャラとして活動するというシュールすぎる設定ながら、描かれる空手の技術論や業界の裏事情は驚くほどガチ。笑いとシリアスな格闘技の魅力が同居する、唯一無二のエンターテインメント作品。

良い所

  • 石井館長のキャラが立ちすぎていて(実名ですから当然ですが)、実在の業界話やテクニカルな格闘理論が非常に面白い。女子高生の姿で館長が喋っているというギャップに慣れると、これほど面白い格闘漫画はありません。
  • 空手の技術描写が非常に具体的。単なる超常現象的な力ではなく、『なぜこの突きの威力が高いのか』といった物理的な理屈がしっかり描かれているので、格闘技ファンならずとも納得感があります。
  • 作品全体に漂うメタ的なユーモアが秀逸。館長の過去の不祥事(?)をもネタにするような潔さと、それを取り巻くキャラクターたちの掛け合いがとにかくシュールで笑えます。
  • 絵のタッチが綺麗で、特にアクションシーンのキレが良い。美少女キャラでありながら、繰り出す技の重みがしっかり表現されているので、格闘漫画としての満足度が非常に高いです。
  • ビジネスとしての格闘技の側面も描かれていて興味深い。館長らしい、興行を成功させるための知略やプロモーションの考え方が随所に散りばめられ、一種のビジネスコミックとしても楽しめました。

悪い所

  • 設定のインパクトが強すぎるため、石井館長という人物を知らない読者や、実在の人物をネタにすることに抵抗がある人には、少し入り込みにくい作品かもしれない。かなり好みが分かれるタイプです。
  • 転生ものとしてはかなり特殊。よくある異世界転生のような『勇者として無双する』カタルシスよりも、技術論や業界ネタに比重が置かれているため、爽快感を期待しすぎると少し肩透徹を食らうかも。
  • 物語のテンポが、技術解説や説明セリフに割かれる時間が多く、時々少しもっさり感じられる箇所があった。もう少し純粋なアクションシーンが長く続いても良いのかな、と思うことも。
  • キャラクターデザインは良いですが、中身が館長だということを常に意識させられるので、ヒロインを愛でるような楽しみ方は皆無。あくまで格闘理論と館長的ユーモアを楽しむための作品です。
  • 後半に向けて少し物語の軸がブレているように感じられる場面があった。転生した目的や、最終的にどこを目指すのかという大きな流れが、エピソード単位のドタバタに隠れてしまいがち。

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