レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
まんが道 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
まんが道
著者: 藤子不二雄Ⓐ
連載: コロコロコミック/週刊少年チャンピオン/ビッグコミックオリジナル増刊/週刊少年キング/藤子不二雄ランド
評価: 8.8/10
あらすじ
富山の町で絵ばかり描いていた内気な少年・満賀道雄は、転校生の才野茂と出会い、無二の相棒となる。手塚治虫の『新宝島』に雷に打たれたような衝撃を受けた二人は、漫画家になると誓い合った。新聞社勤めと原稿書きの二重生活にもがきながら、ついに上京。二畳間の下宿を経て、あこがれのトキワ荘に入り、仲間たちと腕を競い合う日々が始まる。ところが仕事が増えた年末年始、原稿を大量に落として業界から干されてしまう。どん底から持ち込みをやり直し、読者の心をつかもうとあがく二人を、寺田ヒロオと仲間たちの友情が支える。藤子不二雄Ⓐが自らの若き日を描いた、ペン一本に夢を懸けた二人の青春物語!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 漫画家を目指す若者たちの夢と挫折と再起をまっすぐ描いた青春物語にじっくり浸りたい人
- 創作に行き詰まったとき、描き始めたころの初期衝動を思い出させてくれる一冊を探している人
- 戦後の漫画の歴史や、のちの巨匠たちが若手だった時代の舞台裏を物語として味わいたい人
向いていない人
- 実在の漫画家たちを描くなら、良いところも悪いところも包み隠さない実録であってほしい人
- 長く付き合う作品には、すっきりとした結末までしっかり描き切られていることを強く求める人
- 昭和の暮らしぶりや、古い時代の感覚が色濃く残る作風に、どうしてもなじみにくさを感じる人
良い感想・レビュー
- トキワ荘へ引っ越すまでの回り道も面白いのですが、目を奪われたのは原稿に向かう背中です。服のしわひとつで力の入り具合まで伝わる絵に、ただ見入ってしまいました。
- 手塚治虫からの手紙を二人で開けると決めていたのに、先に読んで罪悪感を抱く満賀。描けないときも相棒は描いているはずと気にしながら机に向かうひたむきさに、胸を打たれる。
- ごつい印象の安孫子先生が子どものころは小心者で、優男ふうの藤本先生が世渡り上手だったとは意外でした。戦中・戦後の世の中の様子まで描かれているので、昭和の記録としても楽しめます。
- 締め切り前に苦しくなったり、アイデアが浮かばなかったりしたときに開きたくなる一冊。ひたむきに漫画へ打ち込む二人を見ていると、描き始めたころの初期衝動がよみがえるんですよ。
- オンボロアパートに相棒と住み、ありったけの情熱をマンガにぶつける日々。夢に向かうまっすぐすぎる熱さがまぶしくて、手塚治虫みたいになってやると固く決めた。あっという間にくじけたけれど。
悪い感想・レビュー
- 出てくるのが良い人ばかりのトキワ荘は、いわば「白トキワ荘」の物語。この作品で伝説を知って感動したぶん、別の本で描かれた裏側を読んだときは幻想が崩れる思いがしました。
- 怪物くんやオバケのQ太郎の連載に至るまでを描いて最終ページに「完」とあるものの、作者のまんが家人生はその先も続いていく。道の途中で幕が下りる消化不良感はぬぐえない。
- 連載していた週刊少年キングが休刊したため、物語は「未完」のまま途切れてしまいます。中途半端なところで迎える幕切れには、どうしてももどかしさが残ります。
- 続編では石森章太郎と赤塚不二夫がもうトキワ荘に入っていて、第一部とのあいだに時間のずれがあるのが引っかかる。細かいエピソードの食い違いも、ちょっと気になるところ。
- 作中で二人が描く「宇宙少年団」は、昭和31年のSFなので今の感覚からすると古すぎるのかもしれません。もう一方の作品と並べると、どうもいまひとつに見えてしまうんですよね。
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