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【推しの子】 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

【推しの子】

【推しの子】

著者: 横槍メンゴ/赤坂アカ

連載: 週刊ヤングジャンプ

ミステリードラマ転生芸能界

評価: 9.3/10

あらすじ

人気アイドル星野アイを「推し」とする産婦人科医のゴローは、ある日彼女の極秘出産に関わるが、殺害されてしまう。そしてゴローは前世の記憶を持ったまま、星野アイの子である双子・アクアとして生まれ変わる。同じく妹ルビーも前世の記憶を持っており、アイの死の真相を追い、芸能界の裏側やファン・メディアとの関係など、光と闇が交錯する道を歩んでいく。

良い所

  • 物語の最初から引き込まれた。アイの死から始まる転生と復讐のプロットが予想を裏切る展開を見せ、先が気になって一気に読み進めてしまった。
  • 芸能界の表の華やかさだけでなく、裏側の嘘、誹謗中傷、ファンとの関係など現代社会の問題をリアルに描いていて、ただのエンタメ漫画以上の重さと考えさせるテーマがある。
  • キャラクター描写が深く、アクアもルビーもそれぞれ悩みや葛藤を抱えていて、ルビーの成長や変化、アクアとの関係性の描き方が非常に丁寧で感情移入できる。
  • 作画が非常に美しい。感情がこもった表情アップやアイドルとしてのステージシーン、衣装デザインなどの描き込みが素晴らしく、見ていて視覚的に楽しめる。
  • ラストへの構成が巧み。結末に至るまで伏線が多く張られ、裏切りや秘密が解き明かされる様子が緊張感を持たせつつ収束していき、満足感が高かった。

悪い所

  • 序盤の導入が衝撃的すぎて、そこからの話の重さに耐えられないという読者が多く、心に重いものを残す展開が続くので疲れてしまう部分があった。
  • 登場人物が多いため、誰がどの立場・目的で動いているのか追うのが難しいと感じる章がある。特に中盤以降で情報が多く混乱することがあった。
  • 転生という設定があるが、その扱いが時折プロットの都合に感じられ、リアリティとのバランスで違和感を抱く場面があった。
  • 物語のペースが不均一。ある章ではものすごくテンポが速くて驚くほど展開するが、別の章では心理描写や会話重視でゆったりし過ぎて“間”を感じるところがあり、好き嫌いが出る。
  • 結末が読者によっては期待とは違う方向に行くため、満足できなかった、あるいは“救い”が少ないという感想があった。感情的なカタルシスを求めていた人には物足りなさを覚える部分もある。

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